サイトアイコン 雑学の壺

マジョリカタイルとはどんなタイル?柄や色彩の特徴と台湾や日本製の歴史は?

今、日本でも話題を集めている装飾タイル「マジョリカタイル」。

実は台湾では、
日本統治時代に、富の象徴または幸せを願って、
伝統的な住宅の屋根や玄関周りなどに、
マジョリカタイルで装飾をしていました。

そのタイルこそが、
実は大正初期~昭和10年代にかけて日本で生産されていた、
「和製マジョリカタイル」です。

マジョリカタイルについて調べてみました。

  

マジョリカタイルとはどんなタイル?

明治末に乾式成形法によってつくられた本格的なタイルが、
このマジョリカタイルです。

金型で花柄など凹凸のレリーフを施した、
152mm角、10mmの硬質なタイルで、
筆で一色ずつ数種類の色釉を載せるなど、
製造に手間のかかった装飾タイルです。

マジョリカタイル 柄や色彩の特徴とは?

「和製マジョリカタイル」と聞いて、
「日本でマジョリカタイルが作られていたの?」
「台湾にも渡っていた?」と驚く人も多いと思います。

「和製マジョリカタイル」とは、
大正~昭和初期にかけて、
日本で生産された「和製ビクトリアンタイル」のことを指します。

このタイルは、
近代イギリスの装飾タイルを模倣したもので、
当時イギリスのタイルメーカーが、
「マジョリカタイル」という商品名で売り出したことから、
この名称が日本でも広く使われるようになりました。

イギリス製に劣らない、
品質のタイルを作るようになった日本タイルメーカーでしたが、
国内では気候や好みが合わなかったのか、
売れ行きが良くなかったため、海外、台湾へも市場を広げます。

台湾向けには、
吉祥の意味を持つ花鳥や桃などの果物のモチーフがデザインされ、
富の象徴または縁起物として、住宅の屋根や玄関などに飾られ、
台湾独自のマジョリカタイル文化が発展しました。

マジョリカタイルとは、
幾何学模様や花、フルーツ、鳥などが手描きされた、
立体的で色鮮やかなタイル。

眺めているだけでもワクワクしてくる可愛らしいものばかりです。

マジョリカタイル 台湾や日本製の歴史は?

「和製マジョリカタイル」とは、
大正初期から昭和10年代にかけて日本で生産された、
多彩色レリーフ・タイルのことを指します。

このタイルは、
近代イギリスの装飾タイルを模倣したもので、
タイルメーカーのミントン社が、
当時「マジョリカタイル」という商品名で売り出していたので、
日本でもそれをそのまま呼び名とし、タイル業界で広く流通しました。

イギリスで生まれたこの「マジョリカタイル」は、
正式な様式名称ではありませんが、
15~16世紀のイタリアやスペインの錫釉色絵陶器、
いわゆるマジョリカの流れをくむ、
多彩色表現ができるという意味合いから、
このタイルのために開発した色釉を「マジョリカ釉」と命名し、
「マジョリカタイル」という商品名をカタログに載せました。

和製マジョリカタイル以前の内装タイルとしては、
瀬戸の本業敷瓦があり、
粘土質の原料で湿式型押し成形し、
銅版転写で絵付けするという製法でした。

しかし、
当時輸入されていた英国の硬質陶器質のマジョリカタイルに比べて、
寸法精度や平滑度の点で見劣りがしました。

そこで、不二見焼や淡陶社は、
英国タイルの製法を研究し、
明治40年頃に相次いで粉末原料による乾式プレス成形法を確立し、
長石質陶器質(=硬質陶器質)の多彩色レリーフ・タイル、
いわゆるマジョリカタイルを完成させたのです。

平滑無地のタイルではなく、
多彩色で凹凸の大きい、
まさに製造工程の複雑な難題ものにいきなり取り掛かったのでした。

大正時代になると、
多治見や名古屋を中心に、
多くの硬質陶器質タイルのメーカーが誕生しました。

先ほども、紹介しました「台湾 マジョリカタイル」は、
日本から、台湾へ市場を広げた時の物です。

台湾マジョリカタイルは、
台湾にある「台湾花磚博物館」で見る事ができます。

昔は、台湾各地で見ることができたマジョリカタイルも、
時代と共にその姿を街中で見かけることは少なくなり、
現在では歴史的にも大変貴重な物となっています。

そんなマジョリカタイルを集めた「台湾花磚博物館」は、
日本統治時代、
日本人も多く住み、
阿里山までの鉄道や阿里山から運ばれた檜などで栄えていた、
嘉義市内の中心部にひっそりと佇んでいます。

館内に入ると、
床から天井まで壁一面に張られたマジョリカタイルに圧倒されるそうです。

そこには約1500枚ものタイルが展示されており、
収集した全てのタイルとなるとその倍以上になるそうです。

古いマジョリカタイルは、
模様の間にカビや汚れが付いてくるものらしく、
しかし「台湾花磚博物館」では、
館長が独自に開発したタイルの特殊クリーニング技術により、
まるで新しいタイルのような艶があり、
色や形もはっきりと保たれているのには驚きを、隠せなくなるとか。

そんな、マジョリカタイルは、
日本の京都でも目にする事ができます。

京都でも珍しい銭湯をリノベーションしたカフェ「さらさ西陣」。

「さらさ西陣」は、京都市北区にある、
千本鞍馬口のバス停から歩いて5分くらいの場所にあります。

さらさ西陣
さらさにしじん
〒603-8223 京都府京都市北区紫野東藤ノ森町11-1
0754325075

銭湯の面影を色濃く残す外観に、
店内は鮮やかなマジョリカタイルの壁が全面に埋め尽くされており、
初めて訪れた方はきっとその不思議な世界観に引き込まれてしまうでしょう。

台湾や、京都に行く事が難しい方は、
通販サイトで「マジョリカタイル」を購入する事ができます。

あとがき

マジョリカタイルの事が気になり、
マジョリカタイルの通販サイトを覗いてみました。

マジョリカタイルの、レトロな世界に引き込まれそうでした。

今、レトロタイルが人気を集めているのが頷けます。

タイルもそうですが、マジョリカタイルの壁紙や、
スマホケース、小物入れなども販売されています。

それらでも、
マジョリカタイルの情緒に触れる事が出来ると思います。

私は、小さなポーチを購入する事にしました。

生活の中に、
ノスタルジックな世界を取り入れてみようと思います。

いつか、実物を目にしてみたい、マジョリカタイルです。

モバイルバージョンを終了