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琉球畳と縁なし畳の違いは?それぞれの特徴やメリットとデメリットは?

「琉球畳(りゅうきゅうたたみ)」が人気を集めています。

琉球畳と呼ばれているので、
沖縄の住宅は、すべてこの畳を使っているのかと思っていましたが、
違ったようです。

「モダンな和室を作りたい」
「リビングの一角に寝そべる畳スペースが欲しい」
という方に琉球畳が受け入れられているようです。

琉球畳と縁なし畳の違いや、
それぞれの特徴やメリットとデメリットを紹介したいと思います。

  

琉球畳と縁なし畳の違いは何?

縁なし畳と琉球畳の区別ですが、
一般的に、琉球畳と呼んでいる(思っている)のは、
単に「縁なし畳」のことです。

琉球畳は、琉球表(おもて/ござ)を使っているので、
琉球畳と呼ばれたと考えられます。

琉球表には二種類の説が存在するようです。

一つは「七島イ」と呼ばれているゴザで、
もう一つは、
沖縄でよく使われている「沖縄ビーグ」というゴザです。

どちらも一般に使われている“い草”と違い、
何倍も丈夫なゴザです。

・畳の歴史

日本の文化は、
中国大陸からの伝承をもとにしたものが多いのですが、
畳 (たたみ)は日本民族の生活の知恵が生み出した、
固有のものであり、
湿度が高く、天候の変化が激しい日本の風土で、
「敷物」として育てられ、伝承されてきました。

瑞穂(みずほ)の国にふさわしく、
いなわらを利用して床をつくり、
インドより伝わった野生の「いぐさ」を、
改良栽培して畳表(たたみおもて)を織り、
「畳」という素晴しい敷物をつくりあげました。

明治以降の急速な文明開花の時代にも、
畳は日本の住まいの敷物として重要な役割を果たしてきました。

現存する畳の古いものは、奈良時代のもので、
奈良東大寺の正倉院にある、
聖武天皇が使用した
「御床畳」(ゴショウノタタミ)という、
木製の台の上に置かれ ベッドとして使われたものです。

これは現在の畳と同じように、
真薦(マコモ)を編んだ筵(ムシロ)のようなものを、
5~6枚重ねて床として、
表にい草の菰(コモ)をかぶせて錦の縁をつけたものです。

この台を二つ並べて寝床として使われていました。

鎌倉時代に入ると、
畳は部屋全体に敷きつめられていくカタチになっていきます。

建造物の作りが書院造へと変化していったためです。

書院造とは、
床の間があり、欄間があり、違い棚があり、
といったカタチの和室をイメージをしてもらえばいいかと思います。

そして室町時代を経て、
安土桃山時代・江戸時代へと移るに従い、
茶道が発展し、
書院造も数寄屋風、つまりは茶室がつくられてきます。

この頃から、町民にも徐々に普及されていくわけですが、
江戸時代には「御畳奉行」
と役職が作られる程、
武家には特に大切にされ、将軍や大名には重要なモノになりました。

明治維新後に、畳は一般社会に広く普及していきますが、
庶民は縁無し畳、
富裕層は縁付き畳を使用していくようになります。

縁無し畳というと、
現代でいう半畳を並べたモノをイメージするかもしれませんが、
そればかりが琉球畳というわけではなく、
1畳物でも琉球畳なのです。

また、琉球畳は野郎(ヤロウ)と呼ばれ親しまれていました。

現代でも、本物の琉球畳表のことを野郎とも呼んでいます。

その理由は定かではありませんが、
野郎(琉球表)は「七島い」という、
ちょっと、荒っぽい草で出来ていて、
普通のい草の上品さと区別されたのかと考えられています。

琉球畳と縁なし畳のそれぞれの特徴は?

琉球畳は、
一般的に半畳サイズの縁なしのものを指すことが多いものの、
実際はそれだけでなく、
一畳サイズで縁あり・縁なしの琉球畳もあります。

普通の畳に比べて畳の目が細かいのが特徴です。

本来は名前の通り、
強度のある沖縄で生産されたイグサを使用して作られます。

ですが、
最近では普通の畳表を使った縁なしの正方形の畳も、
琉球畳と呼ばれることが多くなりました。

これには困惑している畳業者さんもいるようです。

琉球畳に使われる琉球表は大きく分けて三つになります。

純国産:大分県国東半島で生産された七島イグサで畳表は大分県で製織

半国産:熊本県で中国産の七島イグサを製織。
    熊本産琉球表として出回っています

中国製:中国製の七島イグサで製織も中国で行われる

国産の琉球表は、
断面が三角になっているイグサを二つに分けて編んでいるので、
新しい琉球畳は表面がザラザラとしていて毛羽立っています。

畳を使い続けることにより、
柔らかくなっていつのまにか抜けてしまいます。

本物の琉球畳かどうか見分けるポイントの一つになります。

琉球表は機械織りではなく、
全て手織りの作業で作られます。

後継者難の上、
現在織っている人も平均70歳を超えていますので、
本当の意味での琉球畳は、
この先なくなってしまうだろうと業界では囁かれています。

見た目がチクチクする感じの本物の琉球畳か、
琉球畳という名の普通のイグサを使用したものか、
中国で作られたものを使うのか、よく考える必要があります。

日本のよき伝統でもある琉球畳ですが、
中身を取るか見た目を取るかです。

親切な販売店では、琉球畳とは呼ばずに、
琉球風畳と呼んでいますので見分けはすぐできるはずです。

琉球畳と縁なし畳のメリットとデメリットは?

琉球畳のメリットから見ていきましょう。

・琉球畳はオシャレ

琉球畳は、何と言ってもオシャレという事ですね。

これが一番のメリットではないでしょうか?

そして、畳の目の向きを交互に配置することで、
きれいな市松模様に見えます。

・部屋を広く感じる事ができる

普通の畳よりも、琉球畳の方が部屋が広く感じます。

縁がないことで、
床がスッキリとした印象になり、広く見えるようです。

琉球畳のデメリットも見ていきましょう。

・琉球畳は半畳サイズなので価格が高い

一番のデメリットは、価格が高いことです。

普通の畳の2倍の値段になります。

畳1枚あたりの値段は、
普通サイズも半畳サイズも一緒の場合が多いようなのですが、
6畳の部屋であれば、半畳サイズだと×12枚必要になります。

なので、
金額は2倍になるということです。

・琉球畳は傷みやすい

琉球畳(半畳サイズの縁なし畳)の場合、
やはり傷みやすいようです。

弱い部分(角)を保護するための縁(ふち・へり)がないので、
イグサを折り曲げた部分から擦り切れてしまうようです。

樹脂製や和紙製の畳なら、イグサより丈夫なようですが、
縁ありと比較すればやっぱり強度は劣ります。

あとがき

琉球畳や従来のい草畳、
さまざまな素材の新しい琉球畳には、
それぞれメリットとデメリットがあります。

価格も倍以上違ってくるので、
使うお部屋や用途によって選ぶとよいでしょう。

琉球畳を取り入れると、
落ち着きのある和室はもちろん、
モダンインテリアや北欧風インテリアに組み合わせて、
おしゃれなお部屋にアレンジできます。

置き畳タイプなら、
今日からでも簡単に和室スペースを作ることも可能ですよ。

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