一年も半分が過ぎた頃、
これからやってくる暑い夏を、無事に過ごせるようにという想いを込めて。
夏越の祓いに茅の輪くぐりを行います。
夏越の祓いの茅の輪くぐりは、
いつまでに行なわなければいけない行事なのか、
また、どのようなことを行う行事なのか?
その由来はいつから伝わるもので、作法はどうするのか?
知っているようで知らないことってたくさんあります。
茅の輪くぐりはご存じですか?
茅の輪とは、6月の末ごろに神社でみかける、
草でできた大きな輪のことをいいます。
みたことがあるけど、
どうやって使うんだろう?
という人も多いのではないかと思います。
この茅の輪をくぐって心身を清め、
厄除け、無病息災、家内安全を祈願することを「茅の輪くぐり」といいます。
この記事では茅の輪くぐりの時期から作法まで、詳しく解説していきます!
茅の輪くぐりはいつまでに行う行事?
★主に6月に行われる
茅の輪をみたことがあるけど、
いつからくぐっていいんだろう?と思いませんか?
茅の輪くぐりは、主に6月の神社で行われます。
特に6月30日は、
「大祓(おおはらえ、またはおおはらい)」
「夏越の祓(なごしのはらえ)」と呼ばれる、
お祓(はら)いの儀式があります。
大祓とは、人が知らないうちに犯した罪や過ち、
そして心身の汚れを清めるものです。
確かに、
知らないうちに何か過ちを犯しているかもしれない…
ということはありますよね。
茅の輪自体は、
6月から7月にかけて一定期間設置されていることも多いので、
6月30日日に限らずくぐってもいいそうです。
大祓には「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」と
「年越の大祓(としこしのおおはらえ)」があります。
このうちの「夏越の大祓」が今回紹介するもので、
6月30日に行われ、「年越の大祓」は12月31日に行われます。
その儀式のなかで、茅の輪くぐりが行われることが多いのです。
6月は季節の変わり目で、疲れもたまる頃です。
これから来る夏を乗り越えられるように、この儀式があるんですね。
茅の輪くぐりの由来はいつから?
★日本神話に由来する
茅の輪くぐりの由来は、
鎌倉時代に書かれた
『釈日本紀(しゃくにほんぎ)』という本に、
引用として載っている、奈良時代の書物『風土記(ふどき)』があります。
主人公は「蘇民将来」、舞台は今の広島県です。
貧しいにもかかわらず、
蘇民将来は喜んでスサノオノミコトをもてなしました。
そんな蘇民将来に対し、
弟である巨旦将来(たんしょうらい)は、
裕福にもかかわらず宿を貸そうともしませんでした。
数年後、
再びスサノオノミコトは蘇民将来のもとを訪れ、
「茅の輪を腰につけなさい。疫病を免れるだろう」と教えました。
教えを守った蘇民将来は難を逃れられたそうです。
それ以来、無病息災を祈願するため、
茅の輪を腰につけていたものが、
江戸時代を迎える頃には、
現在のように大きくくぐり抜けるものになったといわれています。
「夏越の祓」はもともと茅の輪くぐりと関係はなかったようですが、
時代と共に結びついたと考えられています。
茅の輪くぐりの作法とは?
★となえことばを覚えてみよう
茅の輪くぐり、
やったことがないし、難しそう…と思ってはいませんか?
茅の輪のくぐり方には作法がありますので、みていきましょう。
茅の輪くぐりのときには、「神拝詞(となえことば)」を唱えます。
唱えると言っても、声は出しません。
心の中で唱えます。
内容は、
「祓へ給へ 清め給へ 守り給へ 幸え給へ
(はらへたまへ きよめたまへ まもりたまへ さきはえたまへ)」
というものが代表的です。
これは地域や神社によっても異なるようなので、
心配だったら確認してみるといいでしょう。
神拝詞を唱えながら、茅の輪を3周くぐります。
★茅の輪をくぐってみよう
はじめに、茅の輪の正面で一礼、
左足で茅の輪をまたぎ、左回りで正面に戻ります。
次に、茅の輪の正面で一礼、
右足で茅の輪をまたぎ、右回りで正面に戻る。
次に、正面で一礼、
左足で茅の輪をまたぎ、左回りで正面に戻る。
最後に、正面で一礼、
茅の輪をまたぎ、御神前に進んでお参りします。
このような順番になります。
意外と簡単ですね。
あとがき
茅の輪くぐりについて紹介してきましたが、
いかがでしたか?
茅の輪くぐりには長い歴史があり、作法がありますが、
試してみる期間は長めになっています。
ぜひ今年の夏は、無病息災や家内安全を祈り、
茅の輪くぐりに挑戦してみてください。