私はおむすびと言いますが、家族はおにぎりって言いますね。
あまり、気にした事はないのですが、
コンビニで買う時も「○○のおむすびありますか?」と言いますね。
おにぎりと、おむすびにどんな違いがあるのでしょうか?
知っておくと、ちょっと人に言いたくなりますよ!
おむすびとおにぎりの違いはむすぶ形の違い?
おにぎりとおむすびの違い
おにぎりとおむすびで何が違うかというと、
諸説ありますが、
日本おにぎり協会では、大きな違いはないと考えております。
呼び名・カタチ・握り方などの違いを下記にまとめています。
呼び名の違い
おにぎりとおむすびの呼び名の違いは諸説あります。
日本の大部分で「おにぎり」と呼ぶのに対して、
関東~東海道にかけては「おむすび」と呼ばれています。
しかし、東京都と神奈川県では「おにぎり」と呼ぶケースが多いです。
また、「おにぎり」と呼ぶコンビニ(ローソンなど)もあれば、
セブンイレブンのように「おむすび」と呼ぶコンビニもあります。
カタチと握り方の違い
神の力を授かるために、
米を、山型(神の形)にかたどって食べたものが「おむすび」。
「おにぎり」は「にぎりめし」の転じたものと言われています。
つまり、
「おむすび」は三角形でないといけなくて、
「おにぎり」はどんな形でも良いという説が濃厚です。
おむすびとおにぎり 関西と関東で地域による特徴の違いは?
関東と関西の食べ物の違いを紹介します。
★関東は濃口しょうゆ、関西は淡口しょうゆ
関東と関西ではしょうゆに大きな差があります。
関東は色が濃く、旨味もしっかりした濃口しょうゆ、
そして関西は色が薄く味わいも上品な淡口しょうゆ(薄口しょうゆとも)。
しかし実は、濃口しょうゆの方が甘さが強く、
塩分量は淡口しょうゆの方が多いことは案外知られていないそうです。
★関東はかつおだし、関西は昆布だし
食の基本となる「だし」。
関西で昆布が主流になったのは、
水質と関係があるらしいです。
関西の水は軟水で、
「昆布」でも短い時間で良質のだしがとれます。
一方関東は硬水で、だしが出やすく、
濃口しょうゆとの相性もいい「かつお」が広まったそうです。
★関東の食パンは6枚切り、関西は5枚切り
関東では香ばしくパリッとした食感、
関西は柔らかくもっちりした食感が好まれることが理由のようです。
それを強調するかのように、
関東では8枚切り、関西では4枚切りの食パンもあります。
★関東のおにぎりは三角、関西は俵型(呼び名は「おむすび」)
はっきりとした背景は不明ですが、
長い歴史の中で習慣として広まったようです。
「おにぎり」は三角に握ったほうが素早く、
しっかり握れます。
関東のほうが「合理的」
「簡単」を追求しているように感じられます。
同じ形の違いでいうと、
関東のいなりずしは俵型、関西は三角。
さらに餅は、関東は角餅、関西は丸餅が主流です。
★関東は江戸前寿司、関西は箱寿司
個々のネタに「仕事」を施すのが伝統的な江戸前寿司。
たとえば「漬け」や「昆布じめ」、
煮ハマグリにたれをひと塗りするといった手間を加えることが、
江戸前寿司の特徴といえます。
また、ネタではマグロの人気が高い。
一方の関西では握り寿司でも白身魚ネタが多く、
最もおいしいとされるのは「タイ」。
関西名物の箱寿司でも、
「明石のタイ」の箱寿司は旬の美味とされる。
「タイは明石に負けるから」と出さない江戸前寿司職人もいるそうです。
★関東のうなぎは背開きを蒸し焼き、関西は腹開きで直焼き
うなぎは古くから人気のごちそうですが、
その調理法は東西で大きく違います。
関東では「武士が腹開きを嫌ったから」との説があります。
頭を落とし、蒸してから炭火焼にするため、
脂が落ちて食感はふわっと柔らかい。
一方、関西では腹から開き、頭をつけたまま金串を打ち、
じっくりと直焼き。パリッと香ばしいのが特徴です。
★関東の卵焼きは甘く、関西はだしの旨味
関東では卵焼きは甘い味付けが伝統的。
一方、関西ではだしが利いていて、
塩味もかなりしっかりとついています。
卵焼きに関しては、
ほかの料理とのバランスで味付けが決まったのではないかと推測されます。
関東では、しっかりとした味の煮物や焼き物とのバランスを考え、
卵焼きは甘めに。
そして関西では、甘い味付けのおばんざいに合わせて、
塩味で仕上げたのではないのでしょうか。
名脇役ならではの味の七変化といえそうですね。
東西の食文化を比較してみると、
全体の共通項が浮かび上がってきます。
・関東は強い香りとしっかり味・・・納豆、マグロ、江戸前寿司、かつおだしなど
・関西はまろやかな甘みと旨味・・・あっさり旨いだしのうどん、タイ、ハモ、昆布など
これらの背景には、「歴史」と「風土」が関係しているようです。
■歴史
関東は武士が好む濃い味や、
江戸の庶民が好む手間のかからない食べ物が広まりました。
地元産の野菜や魚が好まれ、また高級さはないものの、
初鰹などの“旬”には大いにこだわっていました。
関西は公家の上品な伝統食や、上方商人の洒脱な食が人気を博した。
また古くから京都には全国の特産品が集まっていたため、
料理のバリエーションも豊富でした。
■風土
関東の土壌はキメが粗く、
農作にはやや不向き。また水の硬度は高めです。
一方の関西は柔らかな粘土質の土壌、
そして水は軟水。
これにより明らかな農作物の違いが生まれています。
同じ野菜でも関東産は色が濃く香りが強いものが多く、
関西産は甘みがあり香りは弱めになっています。
いかがでしょうか?
関東と関西の食の違いには、
それぞれの歴史や風土が色濃く反映されています。
こうした背景を少し調べてみるだけでも、
いつものメニューがまた違ったものに見えてくるはずです。
料理人の方は、
自店のメニューについてその歴史を探ってみると面白そうですね。
おむすびとおにぎり 語源のルーツは?
ご飯をギュッっと握って海苔を巻いた食べ物には、
ご存知のように「おにぎり」と「おむすび」という2つの呼び方があります。
同じ食べ物を表す言葉ですが、
その由来は異なり、
「おにぎり」は動作、
「おむすび」は神様の名前が起源になっています。
日本人と「おにぎり」「おむすび」の歴史は古く、
石川県の杉谷チャバタケ遺跡からは炭化した米粒の塊が出土しています。
これは弥生時代に蒸して固めたもち米の化石で、
日本最古の「おにぎり」「おむすび」とされています。
奈良時代の文献『常陸国風土記』には、
「握飯(にぎりいい)』という語句が登場。
その名の通り、
ご飯を握る動作に由来していて、これが「おにぎり」に転じました。
「おむすび」の語源となったのは、
『古事記』に登場する「産巣日神(むすびのかみ)』という神様。
この神様が宿った米粒を食べれば、五穀豊穣にめぐまれるとされ、
やがて握ったご飯を「おむすび」と呼ぶようになりました。
また、「おむすび」は「おにぎり」の女房詞として、
宮中の女官などに使われていたようです。
ご飯を握った食べ物は、
平安時代に貴族の下働きをする者へ出す食事や旅人の携行食、
戦乱の世の陣中食として用いられるようになり、
これを「屯食」と呼んでいました。
江戸中期には一般に普及し始めた海苔を巻くようになって、
「にぎりめし」という呼び方が定着していったのです。
現在、全国的には「おにぎり」という呼び方が主流になっており、
「おむすび」は関東~東海道、
北陸、中国地方などで使われることが多いようです。
皆さんが住んでいる地域では、
「おにぎり」と「おむすび」、どちらの呼び方を使っていますか?
あとがき
「おにぎり」と「おむすび」は同じものです。
どちらで呼んでも間違いではないし、
地域性があると言われてはいるものの、明確な境界線も不明でした。
形による呼び分けも、ルールがあるようではっきりしない。
ただし古くから日本人に親しんできたことだけは確かです。
私たちにはしっかりおいしいおにぎりを見極める舌があり、
時代が流れてもソウルフードであることに変わりはないですね。