ボイコットとは意味をわかりやすく簡単に!言葉の語源や由来 ストライキとの違いは?

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皆さんは、
ボイコットという言葉を目や耳にしたことがあるでしょうか?

1980年の4月。
日本がモスクワオリンピックをボイコットする旨の文字と、
涙ながらに参加を訴える選手たちのTV映像が大変印象に残っています。

当時の自分にとっては、
懸命に練習を重ねてきたであろう選手たちが晴れの舞台に、
出場できないという事態から、
『ボイコット=恐ろしいこと』のような意味合いで記憶していました。

最近では、『○○の国の製品は購入しない!』ですとか、
『○○のブランド品は買わない!』などといった際に、
ボイコットという言葉を目にします。

今回は、このような場面で使われる『ボイコット』について、
ご紹介したいと思います。

  

ボイコットとは意味をわかりやすく簡単に!

ボイコットという言葉の意味するところは、
次のようなもののようです。

・ 組織的、集団的にある商品を買わずに、取引を拒絶すること。
  不買同盟。

・ 団結して特定の人を排斥したり、会合や運動などに参加しないこと。

よく勘違いしがちな点は、やるべきことを怠けたりですとか、
個人が行なったりするようなことは、本来の言葉の意味あいからすると、
誤った使い方になってしまうので注意したいところです。

『組織的』『集団的』『団結』という点と、
あることを行わないことで単なる怠惰ではなく、
抗議の意思を示すという点は押さえておきたいところですね。

ボイコットという言葉の語源や由来は?

ボイコットの語源は、ある人物の名前から来ています。

その名も『チャールズ・ボイコット(Charles Boycott)』さん。

この人が関わった、
1880年頃にアイルランドで起きたある出来事がきっかけとなっています。

土地管理人の立場としてイギリスからやってきたボイコット氏。

当時アイルランドでは大規模な飢饉が発生しているさなかで、
小作農の人たちはわずかな食糧を、
さらに切り詰めてその飢えをしのいでいるような状況でした。

そんな中、
小作農の地位向上を目的とした、
『アイルランド土地連盟』なる組織が発足します。

土地連盟は、小作料の軽減をボイコット氏に対して申し入れるのですが、
彼はこの申し出を拒否した上で土地を取り上げようとする行動に出ます。

これに対して土地連盟は、
ボイコット氏が関連する作業者をすべて引き揚げさせて、
労働を拒否します。

加えて村全体で、
ボイコット氏に対する商品の販売やサービスの提供さえも拒否。

召使たちもいなくなり、
地域全体がその行為に賛同するなかで、
食事をするために店に入っても、
注文すらとってもらえなかったのだとか・・・

その状況がイギリスの新聞で報道されると、
他の組織もこれに加勢して、
アイルランドの警察が治安維持に乗り出す事態にまで発展。

結果としてボイコット氏は失意のなかでイギリスに帰っていきます。

抗議活動をした方の名前が英雄視されて残ったのではなく、
逆の立場の人の名前が今日まで残っているというのは、
なんとも皮肉なものですね。

時代は大きく違いますが、
日本で言えば、悪代官とそれに虐げられた農民といえば、
イメージしやすいでしょうか?

この件は、イギリスとアイルランド、
カトリックとプロテスタントといったキーワードの中で、
単純なものではないかもしれませんが、
興味のある方は掘り下げてみてください。

ボイコットという言葉とストライキとの違いは?

ボイコットという言葉とよく似た言葉として、
『ストライキ』というものがあります。

こちらは労働者が雇用者(使用者)に対して行う抗議行動のことです。

その目的は、労働者側の要求を雇用者側に伝え、
待遇を改善させることです。

具体的には労働条件の改善
(労働時間の短縮や賃金のアップ、その他施設環境の改善等)が、
それに該当します。

『ストライキ』の語源はこちらも人の名前から?というと、
そうではなくて、
英語の『strike:ストライキ』から来ています。

打つや叩くといった意味が主なのですが、
(旗や帆を)降ろすという意味も持っているこの言葉。

どうもその昔、
アイルランドの水夫が帆を降ろして船を停めて、
使用者に抗議したことが由来なのだとか。

あとがき

いかがだったでしょうか?

ボイコットというのは外来語ですが、
日本語に置き換えると何になるのでしょうか?

一揆や打ちこわし?なんかが近いように思いましたが、
ボイコット自体はけっして暴力的な行動は含まれていないようで、
すんなり当てはまる言葉はないのかなと感じます。

そういう意味では、
今日まで日本で使われてきたことにうなずける気がします。