鍋料理以外でも、
土鍋にはさまざまな使い道があるってご存じでしたか?
土鍋を使ってお肉やお魚などのメイン料理も簡単に作られます。
ケーキやプリンなどのスイーツも作られるのです。
今回は、そんな万能調理器具「土鍋」の、
ひび割れについて紹介します。
土鍋はひび割れても使えるのか?
土鍋のひびは必ず入ってしまうものです。
土鍋の土には空気が入っていますし、
釉薬(ゆうやく)が掛かっているところと、
鍋底の素焼きの部分は、
火にかけた時の膨張率が違うからです。
使い続けると煮えやすく割れにくい鍋になっていきます。
つまりひびがあっても土鍋は使えるということです。
ですがなんでもOKなわけではなく、
良くないヒビもあります。
それは土鍋の取っ手の部分や縁まで伸びているヒビです。
これは熱が加わって土鍋が膨張したときに、
割れる恐れがあるので使わない方がいいです。
あとは目止めを数回しても、
水漏れが直らない土鍋は修理することはできないので、
買い替えた方が良いでしょう。
陶磁器の表面に付着したガラスの層のことです。
釉薬のことを単に「 うわぐすり」ともいいます。
土鍋のひび割れの直し方とは?
実は土鍋って急激な温度変化に弱いのです。
例えば、
鍋の底が濡れたまま火にかけたりすると、
ヒビが入りやすくなります。
でも土鍋がひび割れても、
ひどくなければ自分で修復する事ができます。
といっても目止めをするくらいしかできません。
目止めとは簡単に言うと、
鍋の表面をコーティングすることで、
新品の土鍋を使う前にするのですが、
ヒビ割れにも有効です。
ヒビが入った場合は、ひび割れの部分だけ、
コーティングすればいいという意見がありますが、
全体をした方が良いと思います。
他の部分にも、
見えないヒビが入っているかもしれませんから。
米のとぎ汁、おかゆ、ご飯を炊く、
小麦粉や片栗粉、牛乳の修復の仕方をそれぞれ紹介します。
■土鍋のひびに米のとぎ汁を使う方法
米のとぎ汁を使う方法です。
米のとぎ汁を再利用します。
ただし、
でんぷんが薄いのでヒビがあまりひどくない時に有効です。
①米のとぎ汁を土鍋の8割~9割まで入れて弱火にかけます。
②沸騰したら20分ほどそのままぐつぐつと煮立たせます。
③火を止めて自然に冷めるのを待ちます。
④冷めたら中身を捨てて土鍋を水洗いします。
ヒビがひどい場合、
または無洗米を使っていて米のとぎ汁がない人は、
おかゆを使った方法にしましょう。
■土鍋のひび割れにおかゆを使う方法
米のとぎ汁を使うよりも、
お粥のほうがでんぷんの濃度が濃いのでおすすめです。
まだ水漏れしてないひび割れであれば、
土鍋で直接お粥を炊いてしまいましょう。
残りごはんで作ってもOKです。
水漏れしているヒビの場合は、
別の鍋でどろりとしたお粥を作ってから、
土鍋に移して弱火にかけましょう。
①お粥を土鍋で沸騰させたら、
火を止めて1時間以上置いて冷まします。
②土鍋からお粥を取り出して水洗いします。
お粥は食べても食べなくても大丈夫ですが、
お粥は食べたくないけどもったいないと思うなら、
土鍋でご飯を炊く方法がおすすめです。
■土鍋のヒビにご飯を炊く方法
土鍋でご飯を炊いてしまいましょう。
お米1に対して水1.25の分量で炊きます。
洗米を使う場合は1に対してお水1の体積です。
①ごはんとお水を入れたら蓋をして強火で火にかけます。
②沸騰したらとろ火(できるだけ弱火)にして8分待ちます。
③火を止めたら5分そのまま蒸らします。
④蓋を開けて混ぜたら出来上がり。
■土鍋のひびに小麦粉や片栗粉を使う方法
同じでんぷんということで、
小麦粉や片栗粉を使う方法もありますが、
ヒビが大きい時はあまり役に立ちません。
①土鍋の8~9割の水を入れ、
大さじ2杯の小麦粉もしくは片栗粉を入れて混ぜます。
②弱火にかけて沸騰後20分ほどぐつぐつと煮立たせます。
③火を止めてそのまま放置。土鍋が冷めるのを待ちます。
④冷めたら中身を捨てて水洗いします。
小麦粉(片栗粉)をざっと入れると、
ダマになりやすいので軽くふるったほうが効果はあがります。
スパゲッティを茹でたりするのも、
小麦粉が出ておすすめですよ。
■土鍋の目止めに牛乳を使う方法
土鍋の目止めに牛乳も有効です。
カゼインというたんぱく質が粘着してくれるからです。
①牛乳を土鍋の8~9割入れます。
②弱火にかけて20分グツグツさせます。
③あとは冷まして水洗いするだけです。
土鍋にたっぷり牛乳を入れるのは、
もったいない気がしますね。
■土鍋のひび割れに接着剤は使える?
土鍋のひび割れに、
陶器用の接着剤を使用するのはやめておきましょう。
土鍋は熱を加えると膨張するので使えません。
欠けたお茶椀にする「継ぎ」も同様です。
土鍋は火にかけて使う物なので、
接着剤が溶けだしてしまう恐れがあります。
土鍋がひび割れる原因は?
土鍋がヒビ割れる原因について調べてみました。
・鍋底が濡れた状態で使わない
底の素焼き部分が水に濡れたまま火にかけると、
急激な温度変化でヒビ割れの原因になります。
火にかける前に、鍋底が濡れていないか、
しっかりと確認しましょう。
・空焚きは絶対にしない
空焚きをすると急な温度変化に耐えられず、
ヒビが入る可能性があります。
万が一、空焚きをしてしまったら水は入れず、
火を消して自然に冷めるのを待ちます。
・水洗いし、ふせて乾かす
土鍋を洗うときは、スポンジでやさしく水洗いが基本。
洗ったあとは乾いた布巾でふいてひっくり返し、
底を上にしてしっかり乾かすことで、
カビが生えるのを防ぎます。
・土鍋を初めて使う時
土鍋を購入して初めて使う時は、
おかゆを炊きましょう。
新品の土鍋は、
使う前におかゆを炊いて「目止め」をします。
土鍋の材質は、素焼きで細かい気泡が残っているため、
米のでんぷん質で気泡を埋めることで、
水漏れやヒビ割れを防ぎます。
・目止めの仕方
1. 土鍋に七~八分目まで水を入れ、
米大さじ2を加えて弱火で炊く。
2. おかゆができたら火を止めそのまま完全に冷まし、
洗って乾かす。
目止めをして、
土鍋がヒビ割れないようにしましょう。
あとがき
土鍋は鍋底が厚く、
熱伝導も遅いのでゆっくりと温まります。
その分、
熱くなると冷めにくいという保温効果もあります。
また、
遠赤外線効果によって、
食材の芯までじんわりと火が通るのも土鍋の特徴。
煮込んで食べる鍋料理にぴったりです。
家族や、友人とお鍋パーティーを楽しんで下さいね。