人はなぜ旅をするのか?旅に出る目的や意味は何なのか!旅の魅力について

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人はなぜ旅をするのか

自由な旅がままならない状況が続く昨今。

もやもやとしている人も多いことだろう。

でもなぜ人間は旅をしたいと考えるのでしょう。

コロナ禍の中で自由に旅がしづらくなったことで、
あらためてその理由を考えた人もいるのではないでしょうか?

実は、その答えは人類の歴史に隠れていたんです。

ホモサピエンスが地球上に現れたのは、約20万年前。

彼らは狩猟のために移動しながら生きていました。

現在のような定住型の生活になったのは、約1万年前ですから、
人類の歴史の中では、ごく一部でしかありません。

人類はずっと、移動しながら暮らしてきたというわけなのです。

  

人はなぜ旅をするのか?

旅は人間だけができる営みです。

約20万年前、地球上にホモサピエンスが登場しました。

この時代の人類は、
アフリカから狩猟採集のために移動しながら生きる、
遊動型の生活スタイルを続けていました。

私たち人間の祖先にとっては、
『移動=生きる』ということだったのです。

人間以外にも、
渡り鳥などのように移動しながら生きている動物はいます。

ただ、人類とその他の動物には、決定的な違いがあります。

それは、旅人を許容できること。

動物は仲間でないものを敵とみなし、
群れを外れたものが戻ろうとしても受け入れることはありません。

ところが人間は、
ほかの場所から来た旅行者を敵対視せずに受け入れ、
帰って来た旅行者も、元の場所に戻ることができます。

だから“旅”が成立するのです。

その意味では、
旅は人間しかできないことなのです。

人類は有史以来、移動を続けてきましたが、
旅の様相はその時々で変遷しています。

現代の『楽しみのための旅行』とは異なり、
中世(室町時代後期)までの旅の多くは、巡礼が目的でした。

『西遊記』で知られる三蔵法師や、
中国に渡った空海などのように、
人は主に巡礼をはじめとする宗教上の理由から旅をしました。

旅の手段は徒歩が前提で、
宿泊は沿道の家に世話になったり、
現地の人々が寝食の提供をしていたのです。
この時代の旅は、野宿することが中心の無償の旅でした。

世界を見てきた旅人が、
自分の情報を披露する代わりに、
現地の人に一宿一飯を提供してもらう価値交換で成立していました。

近世(日本では江戸時代)になると、
宿泊所の手配や斡旋をする旅行業の前身といわれる、
『御師(おんし)』が登場します。

当時、庶民に許されていた旅は、
お参りか病気治療で、この目的ならば“藩”
つまり、国境を越えて旅をすることが許されていました。

面白いのは、巡礼や治療が目的というのは、あくまで建前で、
多くの人々にとって物見遊山が目的だったことは明白です。

映画やテレビの時代劇などで見るように、
江戸時代、参覲交代といって、
各藩の主である大名や
交代寄合を交替で江戸に出仕させる制度がありました。

その参勤交代によって、全国に通じる街道の整備が進み、
庶民の旅も盛んになっていきました。

原則、藩を出ることが禁じられていたのですが、
神社仏閣へのお参りや病気平癒のための治療が目的ならば、
一般庶民にも旅をすることが許されていたのです。

そして、近現代に入ると旅の目的は多様化しますが、
その心の内側には大きく二つの動機があるといわれています。

一つは、
多忙な日常から離れて現実を忘れたいという『逃避欲求』

もう一つは、
未知を探求して刺激を得たいという『新規性欲求』

開放感と緊張感を求める欲求が混在し、
それらを得る旅が人を豊かにしてくれるのです。

これが、太古の昔から、
人々を旅に向かわせる理由なのかもしれません。



旅から得られることは、旅を通し複数の世界が知れること

では、
開放感と緊張感が味わえる旅は、
どのようなメリットをもたらすのでしょうか。

普段の生活圏を抜け出し、
その他の文化や習慣を体感することで、
人は心の中に複数の世界を持つことができます。

これが、
たとえば事業家がイノベーションを起こすきっかけになります。

海外を旅する際は、
日本人の思考回路ではなく、
現地人の思考回路で物事を見ることが、
さまざまな気づきや学びを生み出すのです。

実際、
明治維新期の岩倉使節団から、現代の企業経営者まで、
海外旅行中に着想したアイデアを
成功に結び付けた例はたくさんあります。

もちろん、旅先で価値観を広げ、
これからの生き方に対する気づきを得るという点においては、
実業家でなくても、
国内旅行であっても同じことでしょう。

また、
“心の旅”という言葉があるように、
旅立つ前からどこに行こうかと考えたり、
検討する時点でわくわくしたり、
予約という『未来を買う』行為から始まります。

そして、
旅行から帰ってからも、
写真やお土産を見ながら記憶を反芻したりするなど、
想像上で旅ができるのも人間の特性といえるでしょうね。

アフターコロナの旅は『体験価値』が旅の魅力に

コロナ禍で移動が制限され、旅の楽しみを味わえない今、
今住んでいる地元を観光してみてはいかがでしょう。

普段は電車や車で通っている場所を歩いて巡ってみると、
そこにはこれまで気づかなかった
新たな発見に出会うことがあります。

固定観念や価値観といった、
頭の中にある境界を越える旅の醍醐味は、
これだけで見充分に得られることでしょう。

そして将来、コロナ禍を経た先の旅はどうなるのでしょうか?

私たちはコロナ禍で、
たとえばウィルスを旅先に運んでしまう可能性があるというように、
旅行者が観光地に、
何かしらのインパクトを与えるということを学びました。

この経験を今後も忘れないことで、
『責任のある旅』がアップデートされていくことでしょう。

同時に、“巣ごもり”という新しい需要が確立され、
移動を伴わなくても、
オンラインで多くのことを体験できるということを知りました。

アフターコロナの時代は、それまでの反動もあり、
巣ごもりによるエンターテインメントを超える旅が
求められるようになると予想されます。

そんな世界では、
旅の分野でも『学び』『健康』『エステティック(美容)』といった、
プラスアルファの体験価値が、
より求められるようになるのではないでしょうか。

パックツアーのような観光地を巡るだけの旅ではなく、
その旅先ならではの体験をしたり、
ほかの土地では口にすることができないような、
その土地ならではの味覚を賞味することを求めるでしょう。



あとがき

旅行は好きですか?

私は旅が大好きです!

海外旅行は、2度しか経験がありませんが、
日本国内だってほとんど知りません。

観光地と呼ばれるところに住んでいますが、
その観光地だって、じっくりと観光したこともありません。

好きなところへ旅することができるように、
早くなってほしいですね。

今回のコロナ禍という辛い時代。

失ったものもたくさんありましたが、
得られることもあったと思います。

以前にも行ったことがある言葉ですが、

テレビドラマ JIN-仁-の
『神は乗り越えられる試練しか与えない』

その言葉を信じて、もう少し頑張ってみましょうよ!