おっちょこちょいという言葉の意味は何?語源の由来と言い換えの言葉は?

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あなたのまわりに「おっちょこちょいな人」はいませんか?

または、
人から「あなたっておっちょこちょいだね」と言われた経験がある!など。

普段からなんとなく使っている「おっちょこちょい」という言葉、
これは一体なんなのか?

「もうぉおっちょこちょいだなぁ…」
若手の軽い失敗に場をなごませようと冗談めかして発した言葉。

受け止められるはずの相手からキョトンとされ、
とどめを刺されるがごとく、
「何ですか?それ?」とか返す刀で言われてしまうと、
今どきの若手は言葉を知らないなぁと、相手を責めるよりも、
しまった!『おっちょこちょい』は方言だったっけ?
とかこれがジェネレーションギャップというやつかと、
自分を顧みる今日この頃。

さて、『おっちょこちょい』最近は使わないのでしょうか?

にしても確かに漢字表記されているのはみたことのないこの言葉。
そういう部分では意味がイメージしずらいのかもしれませんね。

今回は、そんな若者には使われることの少なくなった
『おっちょこちょい』についてご紹介したいと思います。

  

おっちょこちょいの言葉の意味は何?

「おっちょこちょい」とは、
落ち着いて考えないで、軽々しく行動する人や様子、
ほめ言葉ではないんですよね。

ただこの言葉の意味には出てきていない、なんとも憎めない、
愛嬌のあるイメージが含まれている言葉ではないかと感じています。

日本独自の俗語として、
明治時代・東京で、当時は「生意気」という意味で使われはじめ、
その後全国各地に広まったようです。

主に女性・子供に対して使うことが多く、
ネガティブな感情ですが、言葉自体がかわいらしいので、
愛情が多少含まれた、
「大目に見てもらえるドジっ子ちゃん」として使われるイメージですね。

「おっちょこちょい」を英訳した一例に、
「He’s Goofy!」という表現があるのですが、
あのディズニーキャラクター「GOOFY=おっちょこちょい」として例えられるようです。

「GOOFY」とは、
のんびり屋でマイペース、
時にミッキーやドナルドに怒られるほどの失敗をやらかすのですが、
周りに迷惑をかけてもなぜか憎めない!
というニュアンスで例えられているのかもしれませんね。

おっちょこちょいになりやすい人の特徴は「集中力欠乏」な人に多く、
脳科学的には「ワーキングメモリ」が不足している人も、
おっちょこちょいになりやすいと言われています。

「ワーキングメモリ」とは、脳が作業できる範囲のことで、
「読書」により大幅に作業領域を広げられるので、
もしあなたがおっちょこちょいで悩んでいるのなら、
本をたくさん読むことで改善できるかもしれないですよ!

おっちょこちょいという言葉の語源や由来は?

おっちょこちょいの語源としては、
落ち着きがなくあちこちを動き回る様を表す、
『チョコチョコ』という言葉が転訛したものという説が、一般的に言われています。

しかし、この説に対して、なぜ“オッ”という音が上についたのか、
なぜ二番目の“チョコ”が“チョイ”と変わったのか、
という疑問からの異説があります。

国文学者の楳垣実氏の摂がそれです。

「おっちょこちょい」は3つのワードに分けられ、
その意味を形成しています。

どこで区切るかというと『おっ』『ちょこ』『ちょい』の3つです。

まだまだわかりずらいですね。

まずは初めの『おっ』ですが、
驚いた時などに発する『おっと』と同じ感動詞の『おっ』、
もしくは接頭語の『お(御)』で、
後に続く『ちょこちょい』に合わせたもの。

『ちょこ』は、
あちこち動き回る様子を表す『ちょこちょこ』の『ちょこ』のこと。

そして最後の、『ちょい』は、
僅かなことや簡単にできるさまを表す、
『ちょいと』や『ちょっと』と同じ『ちょい』ことなんだとか。

「おっ」・・・感動詞「おっ」または、接頭語の「御」。
「ちょこ」・・・「ちょこちょこ」動き回ること。
「ちょい」・・・「ちょいと」「ちょい」など、「僅かな」という意味。

“オッ”は、
「オッと、まってました!」「アッ、もうできた」
などという時の“オッ”“アッ”と同じで、
“チョイ”は、簡単にできる時などに使う『チョイ』ではないかというものです。

これらを踏まえて、
もう一度意味を思い出してみるとなるほどそうかと思えますね。

主に東京で使われていたようなので、
東京の下町で使われていた「すっとこどっこい」や、
「てやんでぃ」などと雰囲気も似ており、おもしろくて言い易いですよね!

江戸時代後期に『おっちょこちょい♪』という囃詞(はやしことば)が入る、
「おっちょこちょい節」が流行ったことがあり、
江戸時代に江戸っ子が言い出した言葉なのではないでしょうか。

そして、その他の語源として、
「音節(言語の音の単位)読み」からも、
「おっちょこちょい」として意味を成しているので、ここに紹介します。

「お(悪・オ)」・・・悪い・困った
「っ(砦・ツ)」・・・怠惰・怠けた
「ちょ(佻・チョウ)」・・・軽率・あさはかな
「こ(空・コウ)」・・・空虚・からっぽ
「ちょ(憃・チョン)」・・・愚鈍・愚かな
「い(佚・イツ)」・・・ずぼらな・安逸な

「悪砦佻空憃佚(オツチョウコウチョンイツ)」という言葉から来ており、
多少のなまりを経て、
「おっちょこちょい」と呼ばれるようになったという由来もありました。

かなり複雑で難しいですよね(笑)
最初に紹介した由来と違いすぎて混乱しそうですが、
語源の意味は両方とも一緒なので、
覚えやすい方を頭の片隅に記憶しておきましょう!

おっちょこちょいの言い換えの言葉は?

おっちょこちょいを他の言葉で言い換えてみていくと、
結構辛辣な語句が並んでいくことに驚きます。

では、ここで「おっちょこちょい」の類語を紹介していきます。

・ドジ
・まぬけ
・あわてんぼ
・軽率
・そそっかしい
・せっかち
・鈍くさい
・要領がわるい
・気が早い
・グズ
・トンマ
・落ち着きがない
・混乱した考えを持つ
・感覚または裁量を欠く
・気の抜けた失敗を度々する

いや~、ずいぶんありますねぇ。

意味合いとしてはどれも近いはずなのですが、
面と向かって類語の内容で言われたなら、私は凹む自信があります。

しかも、
人から言われた時に心が傷付いてしまいそうな言葉ばかりです。

ですが、逆に考えると、
こういった行動を起こす人に対して、
「○○さんっておっちょこちょいだね」と言ってしまえば、
波風立てずにコミュニケーションを成立させる優秀な言葉でもあります。

やはり、おっちょこちょいには単に失敗した行為を罵倒するだけでなく、
それを周りが暖かく見守っているといいますか、
愛があるように思えてならないのです。

そして、「あなたっておっちょこちょいだね」と人から言われたら、
同じ失敗を繰り返さないように、
冷静に物事を判断するのことが大事かもしれませんね。

ちなみに、「おっちょこちょい」とよく似た意味の『お調子者』は、
楽器演奏の際に“調子合せ”をすることから出た言葉です。

おっちょこちょいで愛嬌があるのは良いのですが、
慌てないで、軽率なことはしないように気を付けたいですね。

おっちょこちょいには以下のような使い方があります。

・君はおっちょこちょいだからこの細かな作業は向いていないかもしれないね。
・おっちょこちょいな彼は、今日も忘れ物をしてきた。
・おっちょこちょいな彼女は、塩と砂糖を入れ間違えた。
・彼のおっちょこちょいは、なかなか治らない。

あとがき

いかがでしたか?

普段、何気に口にしている「おっちょこちょい」という言葉は、
人のフォローが出来て自分の短所が確認できる素晴らしい言葉です。

この言葉を利用して、
親子・夫婦・友達の言い争いなど、
ついつい出てしまう暴言を、
「もう~、おっちょこちょいなんだから~!」と言い換えてみるだけでも、
その後の関係性が違ってくるのではないでしょうか?

こうしてみていくにつれ、
おっちょこちょいということばを体現したような、
アニメのキャラクターを思い浮かべるに至りました。

それは、アニメ『サザエさん』の主人公である『フグ田サザエ』さん。

何事にも一生懸命でいつも明るく陽気。

ただ一本気な性格などが災いして、
勘違いから周りを巻き込んで本人が予想もつかない結果となることもしばしば。

でも憎めないんですよね、
サザエさん。

TVを見ていて、
「きっと次はうまくいくよ!」と言って、
応援すらしてしまいたくなってしまう。

みなさんにとってのおっちょこちょいはどんなイメージでしょうか?