スーパーカミオカンデは、
世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置です。
スーパーカミオカンデが設置されている場所はどこなのか?
スーパーカミオカンデとは、
どんな装置で、見学できるのか?
などについて調べてみました。
スーパーカミオカンデとはどこにある装置?
スーパーカミオカンデは、
素粒子研究の実験装置であるカミオカンデの後継として、
岐阜県に建設されました。
地下1,000mに建設されたこの巨大タンクは、
5万tもの超純水で満たされています。
約13,000本の光電子増倍管により
地中を通り抜けるニュートリノをとらえて、
宇宙の基本法則を解き明かそうとしています。
■スーパーカミオカンデとは
地下1,000mに
5万tの超純水を蓄えたスーパーカミオカンデには、
約13,000本もの「光電子増倍管」が取り付けられています。
ニュートリノがスーパーカミオカンデに飛び込んでくると、
タンク内の水と反応して
荷電粒子がたたき出されることがあります。
この荷電粒子が水中を高速で走るときに
「チャレンコフ光」と呼ばれるとても弱い光を放ちます。
この光を、光電子増倍管を使って観測することで、
目に見えないニュートリノのことを調べています。
※ニュートリノって何?
ニュートリノは、
イタリア語で
「電気を帯びていない+小さい」という意味の名前を持った、
素粒子のひとつです。
素粒子とは、
物質を究極までバラバラにすると現れる要素です。
物を構成する一番小さい単位のことで、
たとえば、皆さんの身体も、着ている服も、
その手に持っているお菓子も、
いつも飲んでいる水も、みんなみんな素粒子の集まりです。
この素粒子には、
大きく分けて
「物質を作る物質粒子」
「力を伝えるゲージ粒子」
「質量を与えるヒッグス粒子」
の3種類の特徴を持つグループがあります。
さらにそれぞれの素粒子に対して、
電気の符号が反対の性質を持つ
反粒子と呼ばれる粒子も存在します。
ニュートリノは、
物質粒子に属するレプトンという素粒子の仲間です。
ニュートリノは、
宇宙のなかで光の次に数の多い素粒子です。
目には見えないけれど、
私たちの周りを飛び回っています。
しかし、その謎はあまり解明されていません。
ニュートリノの性質を理解することで、
宇宙の誕生や起源の謎を
解き明かすことができるのではと考えられています。
多くの研究者が着目しているのは、
なんでも通り抜けてしまうニュートリノの貫通力です。
なかでもニュートリノは、
宇宙線という光のスピードで
宇宙から地球に降り注ぐ
高エネルギーの束の起源を解明するために
重要な要素になると期待されています。
■スーパーカミオカンデとはどこにある装置?
スーパーカミオカンデ装置は、
岐阜県飛騨市神岡町の鉱山地下にある実験装置です。
富山県と岐阜県の県境近くにあり、
富山空港やJR富山駅から
車で約1時間のアクセス の場所にあります。
スーパーカミオカンデの場所はどこにあるのか?
スーパーカミオカンデ実験は、
岐阜県飛騨市神岡町
神岡鉱山内の池の山地下1000メートルの場所で行われています。
豊富な地下水、強固な岩盤、
そして1000メートルの土かぶりがあることから
この場所に設置されています。
地下1000メートルにもぐることにより、
観測の邪魔になる
宇宙線が地上の約10万分の1にまで軽減されます。
スーパーカミオカンデ検出器は、
鉱山の入口から
ほぼ水平に1.7キロメートル進んだところにあります。
また、
鉱山の入口から車で約15分ほどの東茂住という山間の
静かな集落に、
東京大学宇宙線研究所附属神岡宇宙素粒子研究施設の
研究棟や共同利用宿舎などがあります。
スーパーカミオカンデを見学することは出来るのか?
スーパーカミオカンデなどの
世界先端の宇宙物理学研究を紹介する展示施設
「ひだ宇宙科学館 カミオカラボ」が、
2019年3月27日(水)午後1時より、
岐阜県飛騨市神岡町
道の駅 宙(すかい)ドーム・神岡内にオープンしました。
この施設は、
飛騨市が道の駅宙(すかい)ドーム・神岡の施設を
改築して整備するもので、
神岡町内の
スーパーカミオカンデ、カムランド、KAGRA(カグラ)などの
宇宙物理学研究の世界に
いつでも触れたり体験したりできるようにとの思いから
計画されました。
■展示品の紹介
・ワンダーシップでスーパーカミオカンデの内部へ
館内に入ってまず出迎えてくれるのが
巨大な半円筒状のスクリーンです。
このスクリーンでは、
スーパーカミオカンデの内部をフルCGでリアルに再現。
巨大な水槽が実験に使うための純水で満たされる様子や、
ニュートリノの突入により
光センサーが明るさに応じて反応する様子を
大パノラマで見ることができます。
また、スクリーンの前での記念撮影も可能。
通常は入れないスーパーカミオカンデの内部に
立っているような写真を撮ることができます。
・スーパーカミオカンデを作った技術力を実感
長い年月をかけて作られたスーパーカミオカンデ。
奈良時代から鉱山として機能していたため、
強固な岩盤があったことや、
豊富な地下水に恵まれていたこと、
スーパーカミオカンデの完成に必要不可欠だった
日本企業の優れた技術を紹介しています。
特に、
静岡の浜松ホトニクスが手掛けたスーパーカミオカンデ内部の
光センサーの模型は必見!
実際と同じ材料・取り付け方で忠実に再現されています。
・ミクロの世界に入って遊んでみよう
ニュートリノは原子よりはるかに小さく
軽い素粒子の一つ。
こちらでは、自分がミクロの世界に入り、
原子と原子をくっつけて
物質を作るゲームにチャレンジします。
画面に映るいろいろな原子を組み合わせて、
水や塩などさまざまな物質を作ってみましょう。
・ニュートリノは幽霊?
この展示では、
黒い壁を突き抜けていく不思議なボール・コースターを通して、
どんな物質も簡単に通り抜けてしまう
ニュートリノの性質を学ぶことができます。
ニュートリノは、
私たちの体を1秒間に数百兆個通り抜けている
幽霊のような素粒子なので、
観測がとても難しく、
スーパーカミオカンデでは大量の超純水を溜めることで、
ニュートリノを受け止めようとしているということが分かります。
・シューティングゲームでニュートリノの性質を知る
どんなものも通り抜けるニュートリノですが、
水中ではまれに水分子にぶつかることがあります。
このゲームでは、
水分子を構成する原子の原子核(ゲーム盤の穴)をめがけて
ボール(ニュートリノ)を打ち出し、
うまく穴に入るとスーパーカミオカンデ内で光る
チェレンコフ光のように放射線状の光が点灯します。
楽しくボールを打ち合いながら、
ニュートリノが水にぶつかって、
放たれた光を観測するしくみを学びましょう。
・変身するニュートリノを捕まえよう
ニュートリノは、
電子ニュートリノ、
ミューニュートリノ、
タウニュートリノ
と3種類あります。
宇宙から地球にやってくる間、
その種類がほかの種類に変身してしまうことがあります。
これを「ニュートリノ振動」といい、
この現象を発見した梶田隆章博士は、
ノーベル物理学賞を受賞しました。
このゲームでは、
宇宙から飛んでくるニュートリノのうち、
「タウニュートリノ」だけを
すばやくタッチして得点を競います。
ゲーム上のニュートリノも、
途中で姿を消したり、
違う種類のニュートリノに変身したりしてしまうので、
ほかのニュートリノをタッチして
減点されないようにしましょう。
・神岡鉱山は世界最先端の宇宙研究の拠点
神岡には、たくさんの宇宙研究施設があり、
世界屈指の宇宙研究の拠点として知られています。
展示されている神岡鉱山の模型の中を覗いてみると、
スーパーカミオカンデをはじめ、
カムランドやXMASS、KAGRAなどを見つけることができます。
スーパーカミオカンデが、
どれほど地下深くにあるのかということや、
重力波を捉えるKAGRAの内部構造などを学びましょう。
■ひだ宇宙科学館カミオカラボ 基本情報
住所 〒506-1124 岐阜県飛騨市神岡町夕陽ヶ丘6
電話番号 0578-86-9222 (ひだ宇宙科学館カミオカラボ)
営業時間 9:00~17:00(最終入場は16:30)
定休 毎週水曜日・12月29日~1月3日
料金 無料
あとがき
ニュートリノの事は、
全く理解不能なのですが、
「ひだ宇宙科学館 カミオカラボ」で見学し、
宇宙の事をもっと知りたくなりました。