いままで使っていた自転車をいざ誰かに譲ろうとしたときに、
はたと困ったことはないでしょうか?
それは、防犯登録カードの存在。
自転車を購入した際に、
登録してシールも車体に張っているのまでは覚えているけれど、
肝心の防犯登録カードはどこへやら…
近年では、
従来の単に知り合いに自転車を譲るといったケースから、
ネット上での個人売買が増えてきたことから、
自転車の所有の所在があいまいのままだと、
後々トラブルにつながりかねません。
今回は、
自転車の受渡に関して、
押さえておきたいポイントについてご紹介したいと思います。
自転車の防犯登録カードを紛失したら譲渡できないのか?
そもそも防犯登録とはどんな制度なのでしょうか?
一言で言えば、
自転車とその所有者を紐づけるものといったらよいでしょうか。
1994年6月から、
自転車の使用者に対して、
防犯登録がそれ以前とは異なり義務化され、
必ず登録しなければならないルールとなりました。
(但し罰則規定はありません。)
実は『防犯』という命名がされてはいますが、
これ自体に防犯の効力があるとはいえず、
効果を発揮するのはむしろ盗難などの事件が起こってからです。
警察官のパトロール中における職務質問から、
不審車両の発見⇒防犯登録の登録内容から所有者の情報を収集し、
使用者と照合の上、
盗難車かどうか判断されるというわけです。
または、
駐輪場における長期の放置自転車から、
防犯登録の登録内容から真の所有者に連絡がいく、
といった流れもあるかもしれません。
というわけで、
この防犯登録カードを紛失してしまった場合は、
容易に使っている自転車が自分のものだと、
証明することができなくなってしまうのです。
自転車を第三者に譲渡する場合においては、
譲り受ける側も、新たに防犯登録をする必要があるため、
譲渡する側が自身の情報を抹消した上で、
自転車を渡す必要があります。
この抹消手続きの際に必要となる書類の一つが、
『防犯登録カード』なのですが、
紛失してしまうこともあろうかと思います。
この制度の所管は、
各都道府県に任されているため、
その対応の詳細は統一されていません。
登録料金やデータの保存期間なども、
個別に独自のものとなります。
防犯登録をした時期からあまりたっていないようであれば、
自転車の購入店の控えから再発行してもらえる場合もあるようです。
そういったこともかなわなければ、
自信の身分を証明する運転免許証などを代替として、
許可する場合もあるようですが、
紛失してしまった際には各都道府県の専用窓口にお問合せください。
自転車の防犯登録カードがないと譲渡証明書が発行できない!
防犯登録カードの存在が抹消手続きをする上で大切でしたが、
譲渡証明書の場合はどうでしょうか?
実は防犯登録カードがなくても譲渡証明書の発行に問題はないようです。
譲渡証明書とは、
『この自転車は私所有のものでしたが、○○さんに譲渡します。』
といった旨の内容を記載した書面のこと。
各県の自転車防犯登録会のHPサイトに、
フォーマットがUPされている場合があるので、
参考にご覧いただければと思います。
一方でこの書面は手書きでも構いません。
証明書は、自転車を譲渡する側が用意するものですが、
基本的には以下の3つの事項が必要となります。
【譲渡証明書に必要な基本事項】
①譲渡する側とされる側の氏名や住所等。
②該当の自転車を譲渡する旨の意思表示がされていること。
③譲渡する自転車の特定ができる内容が記載されていること。
上記の内容において、
防犯登録カードの提示を求めているものはありません。
③の事項がひょっとしたらと思われるかもしれませんが、
記入事項としては、
自転車本体に張られている防犯登録シールの番号と車体番号、
メーカー名やタイヤサイズ等、
該当の譲渡する自転車が『この内容で間違いありません』と、
いえる情報があればよいようです。
自転車の譲渡証明書がないと新しい防犯登録カードが作れない?
防犯登録は名義変更ができません。
そのため、自転車を譲渡された場合は、
新たに防犯登録をしなおす必要があります。
原則2重の情報管理を防止するため、
前の所有者の防犯登録番号を抹消した後に、
新規の防犯登録番号を登録しなおすといったものが一般的な流れとなります。
(前の登録番号の抹消の手続きは、
前の所有者にしかできないルールとなっています。)
これに対して、リスクを説明しつつ、
二重に登録することを許容するところもあるようです。
(大阪自転車商防犯協力会など)
譲渡証明書の意味合いは、
盗難品等ではなく以前の所有者から、
新たに譲り受けた側に自転車の所有権が移ったことを証明するものです。
地域によっては、
防犯登録の抹消手続きされた証明書をもって、
譲渡証明書の代替としているところもあるようです。
趣旨としては、新たに登録される自転車が、
犯罪に関わるものではないことを証明できればよいので、
譲渡証明書の有無については、
個別に地域の関係部署に確認いただけばと思います。
あとがき
まだ十分使える自転車でも、新しい物を買ったからと言って、
処分するのにも随分費用が掛かります。
知合いに譲ろうと思っても、
結構めんどくさいことになったようですね。
最近、放置自転車を撤去するための軽トラックが、
スピーカーを使って、複数の国の言葉でアナウンスしながら、
街中を走っています。
確かに、放置自転車は少なくなりましたが、
ちょっとした買い物で、駐輪しておくことが難しくなりました。
でも、自転車はとても便利なので手離せません。
特に、電動アシスト付き自転車は軽快です。