あまのじゃくな人とはどんな人?天邪鬼という言葉の意味や語源の由来は?

スポンサーリンク

あまのじゃく…
どういう意味なのか、わかっているようで、
なんとなくしかわかっていない言葉です。

昔は、あまのじゃくな人だと言っていたように思いますが…
最近は使った事はないですね。

あまのじゃくは漢字で書くと『天邪鬼』と書きます。

あまのじゃくという言葉を、どういう時に使うのか、
どういう人に使うのか、その語源はなになのか、
これらについて、調べてみたいと思います。

  

あまのじゃくな人とはどんな人のこと?

天邪鬼(あまのじゃく)とは、
わざと人の意見に逆らう行為をする人を意味します。

みんなが「美味しいね」と言っているのに、
「大したことない」なんて言う人、いますよね。

本心は別として、
人と反対のことを言いたくなるのが天邪鬼です。

だから、「天邪鬼だね」と言われたら、
多くは皮肉を込めた悪い意味だと受け取るべきでしょう。

「性格が悪い」「輪を乱すな」と、ストレートに言いにくい場合、
「天邪鬼だね」と、少々表現を柔らかくして、
笑いを交えて伝えるケースも多いです。

しかし、親しい間柄の人、特に異性に「天邪鬼」と言われた場合、
「あなたに冷たくされると寂しい」という、
好意の裏返しの可能性もあります。

特に女性は、
好きでもない男性にあえて「天邪鬼」という表現を選ばないものです。

このように、天邪鬼は全体的には悪い意味で使われますが、
相手や状況によって、込められる意味が変化する言葉なのです。

天邪鬼という言葉の意味は?

「あまのじゃく」は「人の言動にわざと逆らう人」という意味の言葉です。

人の言うことと逆のことをしたり、
本当は嬉しいのに嫌なふりをするような、
へそ曲がりな人のことを「あまのじゃく」といいます。

「あまのじゃく(天邪鬼)」はもともと民話に登場する妖怪の名前です。

「あまのじゃく」は、ものまねや人心を読むことが得意で、
意地が悪く、人の意と逆のことをして喜ぶような小鬼であり、
これが転じて「あまのじゃく」は現在の意味で使われるようになりました。

誰にでもあまのじゃくな部分はあると思いますが、
あまのじゃくでいることは基本的に損なので、
なるべく素直でいた方が良いでしょう。

あまのじゃくの使い方ですが、

・彼のあまのじゃくは今に始まったことではない。
・あまのじゃくな性格が治らずに困っている。
・あまのじゃく的なところがあるので、人の意見を素直に聞けない。

というように使います。

天邪鬼の類義語には、以下のような言葉があります。

・ひねくれ者
・へそ曲がり
・つむじ曲がり
・意地悪
・偏屈
・素直じゃない
・いじけている
・性根が悪い
・性格が歪んでいる

結構な言われようですが、
「天邪鬼」という言葉を選ぶと、
似た意味を持っていても、なぜか柔らかい印象になります。

だから、人に対して天邪鬼は使いやすい言葉なのです。

ちなみに、天邪鬼の対義語には、以下のような言葉があります。

・素直
・柔和
・穏やか
・カドがない性格
・屈託ない
・無邪気
・いい子
・従順

何事にも反発する、生涯反抗期みたいな天邪鬼の対義語は、
素直でわかりやすく従順な性格の人を意味する言葉です。

天邪鬼な性格になる原因には、先天性と後天性があります。

人には生まれながらの性格があります。

物心つく頃から天邪鬼な人は、
そのような気質を元々持っている可能性が高いです。

一方、後天性の原因の多くは成育歴にあります。

・親から認めてもらえず育った
・家庭環境が原因で、がまんをたくさんしてきた
・親からの関心が薄く、アピールしなければ構ってもらえなかった

このような経験が積み重なると、
「どうせ自分は上手くいかない」「幸せなイメージが掴めない」と、
自己肯定感が低くなってしまいます。

しかし、傷つきたくないため、
人の言葉に対していちいち反発し、
相手から拒否される前に自分から拒否することで、
自己防衛しようとします。

これが、天邪鬼な性格になる原因です。

天邪鬼な性格になる原因が、先天性でも後天性でも、
本人は「どうして素直になれないんだろう」と、
ジレンマに苦しむケースが非常に多いです。

本人も天邪鬼な自分に困惑しつつ、でもどうすれば良いのかわからず、
結局自己防衛に走り、
天邪鬼になっては「変わりたい、でも変われない」と悩んでしまいます。

天邪鬼な人は、反対のことばかり言う以外にも、
性格や心理的特徴があります。

天邪鬼な人の特徴を知れば、
なぜ自ら拗らせるような行動をとるのか、理解できるようになるので、
上手に付き合う方法が見えてくるでしょう。

1.負けず嫌い

天邪鬼が人と反対のことを言いたがるのは、負けず嫌いな性格だからです。

勝負事には絶対負けたくないと思っているため、
負けたくないから、勝負を放棄することもあります。

天邪鬼な人の負けず嫌いは、勝負事に限りません。

何事にも「同意したら負け」「従ったら負け」「認めたら負け」と、
天邪鬼な人は思っています。

人と同調するのは、自分の弱みを見せることだと思い込んでいるのです。

そして、弱いところを見せたら、
つけこまれて負けると考えています。

天邪鬼はいつでも人に反発し、必死に自分を守ろうとしているのです。

しかし、自分も周囲も拗らせる天邪鬼の負けず嫌いな気質は、
時にプラスに働きます。

負けず嫌いの根性で、難題を乗り越えたり、
必死に努力して才能を開花させたりすることもあります。

天邪鬼な人の負けず嫌いパワーが良い方向に向くと、
素晴らしい長所になるのです。

2. 頑固

天邪鬼な人は、負けず嫌いなだけではなく頑固です。

自分がこうと決めたことは、
周囲からどんなに反対されても、貫き通そうとします。

他に素晴らしい提案をされても、本人が納得しなければ、
自分のやり方を頑固に守り続けます。

むしろ、反対された方が、
「相手の言いなりになるものか!」と、天邪鬼の頑固さを強固にします。

天邪鬼な人が「自分はこうする」と決意したら、説得は時間の無駄です。

本人の気が済むまで好きなようにやらせて、
自分で納得してもらうしかありません。

3. 信念がある

負けず嫌いで頑固な天邪鬼の性格は、厄介な面が多いです。

だけど、見方を変えると、
「信念がある」という長所にもなり得ます。

天邪鬼は人に流されない意志の強さと根性があるのです。

周囲にとっては迷惑な性格ですが、
一本筋が通った信念を持っています。

そのため、天邪鬼な人は思わぬ才能を発揮することも少なくありません。

4. プライドが高い

天邪鬼な人は、プライドがものすごく高いです。

だから、人からちょっとした指摘を受けるだけで、
「プライドを傷つけられた!」と過剰反応します。

相手にそのつもりがなくても、天邪鬼な人は「自分への批判」と受け取り、
自分のプライドを守るために、
「あなたの方が間違っている」という意味を込めて、反対の意見を言うのです。

単に、人と逆の事を言う人と捉えていましたが、
あまのじゃくの深層心理は意外に深い物があるんですね。

天邪鬼という言葉の語源や由来は?

日本古来の天邪鬼の起源は、
日本神話に登場する『天探女(アメノサグメ)』という女神とされています。

天邪鬼に性別があるのだとしたら、男性を想像していませんでしたか?

意外な事に起源は女性なんですね。

そしてこの女神は、
『天稚彦(アメノワカヒコ)』という神に仕えている描写が確認されています。

舞台は『葦原中国』です。

葦原中国とは日本神話において、
『高天原』と『黄泉の国』の中間にある場所とされており、
つまるところ日本国土を指します。

葦原中国を治めるよう遣わされた天穂日命(アメノホヒ)が、
3年経っても高天原に戻らないので、
次にアメノワカヒコを遣いに出しました。

しかしアメノワカヒコは使命を全うせず、
大国主(オオクニヌシ)の娘と結婚します。

そして葦原中国を我が物にしようと企み、
8年経っても高天原には戻りませんでした。

そこで天照大御神(アマテラスオオカミ)と、
高御産巣日神(タカミムスビ)は、雉の鳴女(きじのナキメ)を遣わせて、
戻らない理由を尋ねました。

ナキメを通じてアマテラスの声を聴いたアメノサグメは、
アメノワカヒコに不吉な鳥を射抜いてしまうよう助言しました。

そしてその助言通り、
アメノワカヒコは弓矢でナキメを射殺します。

その時の矢が高天原まで届き、その矢を取ったタカミムスビは、
「アメノワカヒコに邪心があるならこの矢がアメノノワカヒコに当たるように」と、
占いの一種である誓約をして矢を下界に落とします。

するとその矢は眠っているアメノワカヒコの胸を貫き、
アメノワカヒコは死んでしまいます。

この話から神の遣いを射殺するよう助言したアメノサグメは、
人の心を読み、望む方向とは逆の方向を示し、
天の邪魔をする鬼とされます。

そしてそれがそのまま「天」「邪」「鬼」となりました。

あとがき

天邪鬼な人は、
決して人から嫌われようとして天邪鬼な言動をしているわけではありません。

むしろ、人からの評価を過度に気にしています。

「嫌われたって平気」という顔をしていながら、
本当は誰よりも「人からどう見られているか」を気にしているのが天邪鬼です。

周囲を振り回し、空気を悪くすることも多い天邪鬼ですが、
実は誰よりも本人が困っているかもしれないと心に留めておきましょう。

また、天邪鬼には才能豊かな人も多いので、
上手に付き合って、良さを引き出してあげてください。

そうすれば、お互いに良好な関係が築けるでしょう。