お札の偽造防止のための技術は透かしを入れることとホログラムの技術

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お札の印刷技術は、
偽造防止のために発展を続けてきました。

「透かし」の技術は古く、
中国では10世紀から、
日本でも15世紀から存在していたといわれています。

 
日本では、江戸時代中期頃に発行された藩札の一部や、
殖産興業政策の一環として、
明治2年に設置された金融機関が発行した紙幣には、
文字や模様が透かしの技術とともに入れられていました。

 
また、明治15年に発行された「改造紙幣5円券」には、
トンボと桜が「白透かし」で入れられています。

日本銀行券の透かしは、
明治18年に発行された「旧十円券」から採用されています。

 
日本のすき入れ技術は、手抄き和紙の伝統技術に支えられ、
濃淡の差がシャープで立体感があるのが特徴です。

日本のお札には、世界に誇る技術がたくさん詰まっています。

  

お札の偽造防止のための技術とは?

 
お札には、偽造を防ぐため、
最新技術を使った様々な工夫が施されています。

まずは、
光にかざすと肖像画や棒線が浮かびあがってくる「透かし」。

一万円札、五千円札、千円札には、
お札の真ん中以外に、それぞれもう一か所ずつ
「透き入れバーパターン」という透かしの棒線があります。

二千円札は、白黒透かしによって豊かな表現の守礼門が浮き上がります。

それから、見る角度により、
金属箔に浮かび上がる画像が変わる「ホログラム」の技術があります。

透かしに変わる新たな偽造防止策として用いられています。

さらに、とても細かい線や点で描かれた「超細密画像」や、
虫眼鏡で見ても見えないほど小さな「マイクロ文字」が、
線のように配置されています。

単純なコピーでは、単なる線となることがあります。

 
また、「凹版印刷」といい、
紙幣に印刷する際に過大な圧力とインクをつけて、
一部分を盛り上げたようにする印刷手法が施されています。

最近では、さらに圧力とインクを増やし、
目の不自由な人が触って識別できるようにザラザラした感触の、
深凹版印刷が主流となっています。

そして、紫外線を当てると、
印章部分や「NIPPON」の文字が光るように、
特殊発行インキが使われています。

このほか、白い紙ではなく、
あらかじめ色をつけた着色紙を用いたり、
複数の色を使い複雑な模様を仕立てる彩文や、
深い凹版印刷の技術を使用して、
見る角度によって文字が浮き出るようにした潜像模様、
複製時に潰れてしまうような小さい記号や、
特定の法則に沿って、
特定の図柄などを変更しているシークレットマークなどもあります。

お札の偽造防止のための技術、透かしを入れる技術とは?

「透かし」とは、紙幣を印刷する用紙を作る段階で、
紙の一部分を薄くしたり、反対に一部分を厚くしたりして、
透かしを漉き入れる技術のことです。

現在の日本銀行券には、
偽造防止対策として、透かしが施されています。

紙の厚さを薄くする「白透かし」と、
紙を厚くする「黒透かし」があり、
紙幣の主流はこの二つを精巧に組み合わせた「白黒透かし」が使われています。

 
なお、日本では、
一部分を厚くする黒透かしは法律によって規制されています。

「透かし」で分かる偽造防止技術

お札を光に透かして判別できる技術です。

光にかざすと、中央の丸い部分に肖像画が現れ、
さらに肖像画の右部分に縦線が浮かび上がります。

この線は、すき入れバーパターンと呼ばれ、
用紙に棒状のすき入れを施したものです。

縦線は金額によって本数が変わり、
一万円札は3本、五千円札は2本、千円札は1本となっています。

お札の偽造防止のための技術 ホログラムの技術とは?


 
「傾けて」分かる偽造防止技術

お札を傾けることで判断できる技術です。

角度を変えて見ることにより、文字や絵柄、額面数字などが見えます。

一万円札と五千円札には、
角度によって桜の模様が浮かびあがって見えます。

ホログラムは、一万円札と五千円札にしか施されていませんが、
パールインキという特殊なインキは、
千円札、五千円札、一万円札で見ることができます。

パールインキは、正面から見ると見えませんが、
お札を傾けると、お札の左右両端の中央部にピンク色の光沢が現れます。

 
また、二千円札には、光学的変化インキが用いられており、
お札を傾けると文字が青緑色から紫色に変化して見えます。

 
お札を傾けることで、表面に額面金額の
「10000」、「5000」、「2000」、「1000」が、
裏面には「NIPPON」の文字が浮かび上がって見える潜像模様や、
千円札の角度によって、表左下にパール印刷による「千円」の文字と、
潜像模様の「1000」の数字がそれぞれ浮かびあがる工夫も施されています。

あとがき

このように、
お札は万が一偽造されても、
それが必ず偽物だと突き止めることができるようになっています。

また、お札の表には、
アルファベットと数字が印刷されており、
これを「記番号」と呼びます。

アラビア数字6桁の数字を挟んで、
アルファベット24文字が組み合わされていて、
これらの組み合わせにより、
記番号は、129億6千万枚で一巡します。

 
一見、同じに見えるお札でも、
知れば知るほど凄い技術が組み込まれています。

もう一度、よく眺めてみたいものです。