地獄絵図とはどんな意味を表しているのか?絵本の地獄絵が売れる理由としつけに良いのは何故?

地獄絵図という言葉には、どんな意味があるのでしょう?

「そんなことしたら地獄に落ちるよ!」
子供が大人に叱られるとき、
よく聞かされたひと昔前の印象をもつこのフレーズ。

実際にあるかどうかもわからず、
話している大人当人でさえ行ったこともない世界。

地下深くにあって閻魔大王がいるところ。

生きていたころのことを聞かれて、
嘘をつけばその罰として舌を抜かれる。

怖い鬼がいて三途の川がある一方で針の山がある。

現実にはないところにもかかわらず、
共通したイメージを持つことができてしまっているのは、
幼いころからさまざまな場面で語りつがれてきたことの、
賜物といったところでしょうか?

「まるで地獄絵図の様だった」という表現を聞くことはありますが、
その時に思うのは、
とても、荒れている風景…ですかね。

怖い絵を想像してしまうのですが、
地獄絵図の持つ意味について、
ちょっと言葉にしづらいので、
調べてまとめてみました。

今回は小さな子供たちのしつけの上で再注目されている、
『地獄絵図』についてご紹介したいと思います。

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地獄絵図とはどんな意味を表しているのか?

地獄絵図として有名なのが、
千葉県安房郡三芳村にある延命寺にあるその名も『地獄極楽絵図』。

天明4年(1784)の江戸時代の末期に、
画士・江府宗庵が製作したといわれているもので、
全部で16幅まである絵図となっています。

その内容は、
人が亡くなってから冥土の旅へ歩む様子を順を追って描き出しています。

現世での悪事を重ねることの恐ろしさや、
善い行いを積むことの重要性を表現する一方で、
御仏の慈悲深さ、死の恐ろしさ、生命の尊さを示す内容。

そしてなんといっても目を引かれるのは地獄の情景。

地獄は、
等活、黒縄、衆合、叫喚、大叫喚、焦熱、大焦熱、阿鼻と、
八種類にそれぞれ分かれていて、
現世で犯してしまった罪によって異なる地獄に落とされるというもの。

その描写は色彩豊かで、
写実的な表現とはまた別な次元での、
おどろおどろしさのようなものが感じられて、
大人でさえも目を背けたくなってしまうような内容となっています。

地獄絵図の意味は…

1 地獄で亡者が苦しむありさまを描いた絵。地獄絵。地獄変相。

2 きわめてむごたらしい状況になること。「戦争で街は地獄絵図と化した」

という意味です、
普段あまり使わないですよね、
というか、使いたくない言葉です。

地獄絵図の意味としては、以上です。

それ以上でも、それ以下でもありません。

地獄絵図の意味として補足するなら、
地獄とは?
という事でしょうか?

地獄と聞けば、死後の世界で、
生前悪い事をすると、
亡くなってから、地獄に行くよと言われた事を思い出します。

地獄の意味ですが…

1 仏語。六道の一。

この世で悪いことをした者が死後に行って苦しみを受けるという所。

閻魔 (えんま) 大王が生前の罪業を裁き、
獄卒の鬼が刑罰を加えるという。

八熱地獄・八寒地獄などがある。

地獄道。奈落 (ならく) 。⇔極楽。

2 キリスト教で、神の教えに背いた者、
罪を犯して悔い改めない魂が陥って永遠の苦を受け、
救われないという世界。

3 イスラム教で、
この世の終末に復活して受ける審判によって、
不信仰者や不正を行った者が永劫の罰を受ける所。

罪人であっても信仰者はやがて天国に入れられる。

ジャハンナム。

4 非常な苦しみをもたらす状態・境遇のたとえ。「試験地獄」

5 火山の、絶えず噴煙が噴き出している所。

また、温泉地で絶えず煙や湯気が立ち、熱湯の噴き出ている所。
「温泉場の地獄巡り」

6 劇場の舞台の床下。奈落 (ならく) 。

などですね、
これを分かり易く言うと…

「地獄」というのは、中国の言葉で、
インドの言葉では、「捺落迦(ナラカ)」と言われます。

日本語でも「奈落の底」といわれるときの、
「奈落(ならく)」という言葉となって使われています。

地獄は、私たちが、生まれ変わり死に変わり、
輪廻転生する世界でも、最も苦しみの激しい世界です。

そして最も転生する可能性が高い世界でもあります。

・地獄はどこにある?

キリスト教では、
地下に地獄という場所があり、
神を信じない人は、死んだら地獄へ行くそうです。

イエスも地下にある地獄に降りていったと伝えられています。

ところが仏教では、
どこかに地獄という場所があるのではありません。

自らが生みだす苦しみの世界です。

ですから、軽業師なら針の山もへっちゃらで、
ボクシングのヘビー級チャンピオンなら地獄の鬼とも互角に渡り合って、
オリンピックの水泳選手なら血の池でも大丈夫と思うかもしれませんが、
どんなに運動神経がよくても、
地獄の苦しみをかわしたり、逃れることはできません。

地獄という場所が地球の地下にあるのなら、
ロケットで月にでも行けば堕ちないかと思っても、
逃れられません。

まったく同じ町に住んでいても、
ある人は、受験地獄に苦しみ、
またある人は、借金地獄に苦しみます。

それは、場所が悪いのではなく、
自らのたねまきが生みだした報いなのです。

・地獄は死後にあるの?

それについてお釈迦さまは、
「従苦入苦 従冥入冥」(大無量寿経)と説かれています。

「苦より苦に入り、やみよりやみに入る」と読みます。

今苦しんでいる人は、死んだ後もジゴクの苦を受ける。

この世のジゴクから、
死後の地獄へと堕ちてゆく、という意味です。

この世の地獄で苦しんでいるので、
その結果、死後の地獄に堕ちていくのです。

ということは、地獄は死後にもあるということなのでしょうか。

やはり、
地獄という言葉の意味を聞いて良い気持ちにはなりませんね。

地獄絵図の絵本 地獄絵が売れる理由は何故?

地獄の絵本がブームとなっています。

地獄と言えば、鬼がいたり、
針地獄や釜ゆでなどの残酷な地獄絵図が繰り広げられていたりと、
大人でも目を覆ってしまうような恐ろしい光景が目に浮かびます。

「悪いことをすると地獄に落ちる」と言う言い伝えもあるくらいです。

そんな「地獄」についての絵本はたくさん出版されていますが、
実は怖いだけではありません。

絵本である『地獄(白仁 成昭 氏著)』が出版されたのは、
昭和55年(1980)のこと。

ではなぜ今この本が話題になっているのかというと、
漫画家の東村アキコさんの作品、
「ママはテンパリスト」がきっかけといわれています。

この漫画は、
東村さんが一人息子の子育てに奮闘する中、ある絵本が登場します。

それが絵本『地獄』。

その内容はというと…

主人公の五平は、
明け方に突然、地の底に引きずり込まれる感覚に襲われます。

そしてようやくたどり着いた先で鬼から告げられるのです。

「お前は死んだのだ!」と。

鬼に攻め立てられながら進むさきには、
閻魔王が待っています。

そこへの道すがら、
鬼は生前での行いが、
五平が今いる世界『地獄』での環境に深く影響していることを話します。

閻魔王の前にくると、
生前でのおこないに関して取り調べが行われます。

もちろん嘘は厳禁。

たとえその場しのぎで嘘をついてしまっても、
鏡の力ですべてはわかってしまうからです。

そして閻魔王から告げられた行先は『針山地獄』。

五平は、絶望し深く後悔します。

そこへ現れたのはなんとお地蔵様。

生前、五平が幼い子供が川でおぼれているのを見て、
それを助けようとした善行を閻魔王に説くのです。

閻魔王はその行いを勘案して、
五平の罪を許して元の世界にもどすことを約束する引き換えに、
地獄の様子をくまなく見て回り、
現世の人々に地獄の恐ろしさを知らせるように言うのでした。

★じごくってなに?をわかりやすく描いた、風涛社の「絵本 地獄」
「自分の命を大切に」との思いで制作された絵本です。

風濤社の「絵本 地獄」は、
1980年に発行された絵本です。

千葉県安房郡三芳村の延命寺に所蔵されていた、
地獄絵巻を元にして作られています。

1980年当初、若い人による自殺者が急増したことから、
それを抑止する目的で「絵本 地獄」が製作されました。

死の恐ろしさを知り、
自分の命を大切にして欲しいという思いが込められています。

生きている間に悪いことをした人は、
死んだ後に地獄へ連れ去られ、
残酷な報いが待っているというお話です。

そして命を粗末にしてはいけないとの教えがあります。

地獄では目を覆いたくなるほどのおぞましい光景が待っています。

絵本でも忠実に描かれており、
子どもに読み聞かせる絵本とは思えないくらい怖すぎる地獄の絵本です。

★子どもにはやっぱり怖い、地獄の話

怖いだけじゃない、
楽しい作品もたくさん「じごくのえんま帳」もあります。

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地獄というとえんま様や鬼、
地獄絵図などとても恐ろしいイメージです。

しかしそれだけではなく、
子どもに見せても安心な楽しいお話もあるんですよ。

はじめての地獄の絵本や、怖がりさんにおすすめの絵本が、
「おばけぼうやのみずじごく うたうためぐり」です。

よわむしおばけのおばけぼうやが、
ことば遊びや歌で怖さから切り抜けながら、
「みずじごく」を冒険します。

「じごく」が出てくることば遊びの絵本として、
幼児から楽しみながら読み進められます。

登場するキャラクターもかわいいです。

ヨシタケシンスケさんの「このあとどうしちゃおう」にも、
「いじわるなアイツはきっとこんなじごくにいく」と、
地獄の説明があります。

そこにはトイレがひとつしかなかったり、
誕生日のプレゼントが注射だったりと、
ユーモラスな地獄が登場します。

「キツネのかぎや」シリーズの、
「地獄のえんま帳」も、ハラハラドキドキの連続でおすすめです。

地獄絵図がしつけに良いと言われるのは何故?

地獄にまつわる絵本のおすすめをご紹介します。

絵本 地獄―千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵

白仁 成昭、中村 真男(著)、宮 次男(監修)

この、絵本が、しつけに効果てきめん!と大人気なんです。

東村アキコさんの育児漫画で紹介されたことによって、
発行から30年以上経ったのちに話となった絵本です。

2012年にはAmazon年間絵本ランキング第1位を獲得し、
累計発行部数は40万部にも達しています。

この絵図は、現実的なものでは決してありませんが、
その恐ろしさは子供に対しても充分に伝わるものとなっています。

針の山で貫かれる者。

鬼に逆さにされ皮をはがされる者。

煮えたぎった湯の入った釜の中に入れられる者。

体を割かれて細かく刻まれる者。

人が人として扱われないその世界は、
現世での行いとすべてが紐づいて離れず、
悪い行いをした者には、
必ずその罪に対しての報いが用意されていることが描かれています。

また、一方で、たとえ過ちを犯してしまったとしても、
良い行いを重ねさえすれば、
誰も見ていないところでもお地蔵様は見ていてくれて、
罰は軽減されるという描き方。

これは、親に怒られるようないたずらをしてしまった子供にとっては、
挽回のチャンスがあるんだと思えることは、
反省を促す上でとてもよい規範になるのではと思います。

「生き物は殺してはいけない」
「嘘をついてはいけない」など、
悪いことをしたら、
それ相応の裁きがあることが描かれています。

血を連想させるような赤で書かれた文字や、
残酷過ぎる描写など、
子どもによっては、トラウマになりかねないくらいインパクトが強く、
評価が分かれる絵本です。

しかし、この絵本には、
「命は粗末にしてはいけない」という、
最大のメッセージが込められています。

怖がらせるしつけではなく、
倫理観や道徳観、
そして命の大切さを学ぶ絵本としておすすめです。

読み聞かせの際に、
説明を添えて子どもに伝えると良いでしょう。

あとがき

いかがだったでしょうか?

お子さんへのしつけとは別な話として…

この地獄絵図恐ろしいシーンばかりに目が行きがちですが、
実は鬼の表情がとても豊かでコミカルなんです。

別の言葉でいえば鬼なんですけど人間くさい。

つい親しみをもって見てしまいます。

そして針山地獄のシーンでは、
鬼が針に刺さっているのが描かれているのですが、
これはどうやら作者の遊び心というべきでしょうか。

地獄に落ちた人間の中に、かなりの豪傑がいたらしく、
鬼を地獄で懲らしめているようなのです。

こんなところに妙な現実感が隠れているなんて、
昔の人の想像力には脱帽してしまいます。

地獄の絵本には、
小さな子どもから読める優しいものから、笑えるストーリーのもの、
そして震え上がるほど怖いものまでさまざまです。

それでも子どもたちを魅了するのは、
怖いもの見たさとストーリーの面白さにあるのではないでしょうか。

子どもは実は怖いものが大好きです。

鬼やおばけなど、実際に存在しないものほど興味が湧き、
「怖い、けれども見たい」という感情が生まれます。

はじめは怖いもの見たさで見ていたのが、
だんだんストーリーの面白さが理解できるようになると、
「怖いけれども面白い!」と何度でも読みたくなるのです。

人気のある作品ほど、
子どもが魅了されるだけの内容が伴っています。

ただ怖いだけでなく、
伝えたいメッセージがしっかりしている作品や、
ユーモアのある作品が多いのも、地獄の絵本の特徴です。

読むのが怖いですか?

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