破竹の勢いと飛ぶ鳥を落とす勢いの違いは何?語源の由来や意味と使い方は?

スポンサーリンク

破竹の勢い、飛ぶ鳥を落とす勢い…
どちらも普段、自分では使わない言葉です。

メディアなどでは時々、耳にすることがありますが、
なんとなく雰囲気で、
どちらも『すごい勢い』のことと理解しています。

破竹の勢いと飛ぶ鳥を落とす勢い、
どちらも同じような感じがしますけど、違うんですかね?

それぞれの語源の由来を知って、意味の違いを…

これは、調べてみる価値はありそうですね。

  

破竹の勢いと飛ぶ鳥を落とす勢いの違いは何?

まず、破竹の勢いの意味ですが…

「破竹の勢い」の意味は「猛烈な勢い」の事、

「破竹の勢い」は「はちくのいきおい」と読みます。

「破竹」という言葉から、
竹がバーンと音を立てて破裂するような激しい勢いを、
頭の中でイメージした方もいるかもしれません。

「破竹の勢い」は「猛烈な勢い」を意味する言葉となります。
その「破竹の勢い」を省略して、
「破竹」と使われる場合もありますが、
どちらも同じ意味となります。

「破竹の勢い」とは、
竹が割れる「破竹」の様子を由来とする言葉です。

「爆竹の勢い」と誤って覚えているケースも見受けられますが、
「爆竹」では意味が成立しなくなります。

「破竹の勢い」という言葉は、
スポーツなどの勝ち負けや、出世、
企業の成長を表す時に使われることが多い言葉です。

「破竹の勢い」は、
竹が一旦割れはじめると一直線に割れていく様子のように、
止めようがない・止める方法が見つからないほどの勢いがある場合、
スピードが早い場合に対してのみ使う言葉です。

単に勢いがよいだけの場合は、「破竹の勢い」という言葉は適していません。例えば「破竹の勢いで勝ち進む」という表現は、単に連勝しているというわけではなく、他のチームを寄せ付けないほど圧倒的に差がついている状態の場合に使うのが適しています。

つづいて、飛ぶ鳥を落とす勢いの意味ですが…

「飛ぶ鳥を落とす勢い」は「とぶとりをおとすいきおい」と読みます。

長い言葉ですが、
ことわざなのでそのまま覚える様にしましょう。

「飛ぶ鳥を落とす勢い」の意味は、
「権力や勢いが非常に盛んな様子」です。

時流に乗って勢いを付け、
権力や名声を手に入れた人の持っている雰囲気のことを言います。

急速に成長していったり、一気に大成功を遂げたことで、
周囲が目を見張る程の自信と気迫を見に付けている状態です。

★破竹の勢いと飛ぶ鳥を落とす勢いの違いをまとめると、

・「破竹の勢い」という言葉はスポーツなどの勝ち負けや、
出世、企業の成長を表す。

・「飛ぶ鳥を落とす勢い」の意味は
「権力や勢いが非常に盛んな様子」一気に大成功を収めたという事。

「飛ぶ鳥を落とす勢い」(とぶとりをおとすいきおい)とは、
空を飛んでいる鳥であっても地に落ちるほど、
勢いが盛んであることを表す言葉です。

空を飛ぶ鳥が落ちるのはよほどのことであるので、
「破竹の勢い」と同じ、非常に勢いがあることを意味しています。

破竹の勢いと飛ぶ鳥を落とす勢いは、同じ意味なんですね。

破竹の勢いと飛ぶ鳥を落とす勢いの語源の由来は何?

★「破竹の勢い」は、

「三国志」にも登場する、
晋の武将「杜預」(とよ又はどよ)の逸話「杜預伝」を由来とする言葉です。

「破竹」の「竹」とは植物の竹を指していますが、
節が多い竹は割ろうとしても簡単には割れません。

しかしナイフや刀などの刃物を使って最初の一節を割れば、
あとは一直線に最後まで割れる性質を持っています。

この竹の勢いを、
「譬如破竹(譬ばを竹を割るが如し)タトエバタケヲワルガゴトシ」と、
軍の勢いに例えた杜預の言葉が、
「破竹の勢い」の語源となっています。

呉へ軍を進める中で、
夏を前に一旦兵を引くべきでは、との周りから進言を受けた杜預。

しかし杜預は、

「我が軍は現在竹が割れるかのように勢いがある。
勢い付いている今はさらに兵を進めるべきであり引くべきではない」

と述べ、最終的には勝利を得ることとなりました。

この逸話を元にした「破竹の勢い」という言葉が、
「猛烈な勢い」の意味を持ち現在使われています。

★「飛ぶ鳥を落とす勢い」は、

「飛ぶ鳥を落とす勢い」の出典は古く、
鎌倉時代に書かれたご存知・平家物語の「巻第五」に見受けられます。

その時、文覚右上人という修験者のことを、

「およそ飛ぶ鳥も祈り落とすほどの、やいばの験者という評判であった」

と記述しています。

文覚という人は、
那智の滝に二十一日うたれ、那智に千日参篭し、
吉野の大峰に三度、葛城山に二度、
その他、全国を修業して周ったそうで、
都に上ったときには修行で培った神通力で評判になったという事です。

そして、

「その人の勢いが激し過ぎて、空を飛んでいる鳥でさえも落ちてしまう程」

という意味からきています。

この解釈は、
「強い権力を持っている人は不可能なことでも可能にしてしまう」
ということのたとえです。

破竹の勢いと飛ぶ鳥を落とす勢いの意味と使い方は?

★「飛ぶ鳥を落とす勢い」を使った例文で意味を解釈

「飛ぶ鳥を落とす勢い」を使った例文と解釈を紹介します。

・「飛ぶ鳥を落とす勢い」を使った例文1

「あの作家は次々と話題作を発表して今や飛ぶ鳥を落とす勢いだ」

発表する作品が次々とベストセラーになる作家で、
大人気になっていることを表しています。

・「飛ぶ鳥を落とす勢い」を使った例文2

「今や飛ぶ鳥を落とす勢いの会社の面接に見事受かった」

大人気商品を発売していて誰もが知っている様な人気の会社の、
入社試験に合格したことを表しています。

★「飛ぶ鳥を落とす勢い」の類語を紹介します。

◎「破竹の勢い」【はちくのいきおい】
「勢いが激しくて止まらないこと」という意味です。

竹を割る時に、
最初の一節を割れば後は一気に裂けて行く様子からきています。

◎「泣く子もだまる」【なくこもだまる】
「非常に強い権力や威力があること」という意味です。

常識や分別が通用せずに泣いている子供であっても、
思わず黙ってしまう程の迫力があること、という意味です。

由来は中国の歴史的文学「三国志」に登場する、
「張遼」という圧倒的な強さを持つ武将の様子からきています。

★「破竹の勢い」の例文を紹介します。

「破竹の勢い」の例文

・彼の国は破竹の勢いで領土を広げていった。

・彼のチームは破竹の勢いで勝ち上がっていったため、
だれもが優勝を確信した。

・破竹の勢いで進む彼を止められる人は当分現れそうにない。

★「破竹の勢い」には以下のような類義語があります。

草木も靡く(くさきもなびく)

飛ぶ鳥を落とす勢い

等ですね、破竹の勢いと飛ぶ鳥を落とす勢いは、
同じ意味という事が良く分かりました。

あとがき

破竹の勢い、飛ぶ鳥を落とす勢いの意味がよく分かりました。
とても分かりやすい表現ですよね。

そして、日常生活で使われることもあると思います。
ピッタリな場面があればぜひ使っていきたいですよね。

ところで『竹を割ったような性格』という言葉があります。

真っ直ぐな、あっさりした性格という意味のようですが、
“竹”という植物の特性は、
物事の状況を表すときのたとえによく使われるようですね。