背水の陣 本当の意味や言葉の由来は?正しい使い方と例文は?

『背水の陣』と言う言葉、
普段使う事はないですね。

意味は、
「致し方なく、相手に背を向ける」だと思っていますが、
本当のところどうなのでしょうか?

『背水の陣』と言う言葉の本当の意味や由来、
どのような場合に『背水の陣』と言う言葉が使われるのか、
正しい使い方や例文について、

『背水の陣』と言う言葉について調べてみました。

背水の陣 本当の意味は?

背水の陣の意味は、
もう後がない状況下において、
決死の覚悟を持って行動することです。

「背水」は背中に水がある状況、
振り向けば後に川や海、
湖などが広がっている状況で逃げることができない、
後ろに下がることができないと言うことを意味します。

「陣」は兵隊を配置することとなります。

戦地において、
逃げ道がない状況は非常に困難であり、
危険な状況ですが、
それを乗り換える為の、
精神的な部分を指していると言われています。

背水の陣 言葉の由来は?

背水の陣と言う言葉の由来は、
漢と趙との戦いで、
劉邦の部下の韓信(かんしん)が、
兵士たちをあえて、川を背にした配置を取らせることで、
負ければ生きられないと言う状況を作り出し、
決死の覚悟で戦い、
見事勝利を収めたというところから来ています。

■「背水の陣」の故事

項羽軍(楚)と劉邦軍(漢)が、
一進一退の攻防を繰り広げていた時、

劉邦の部下である韓信は、
項羽側の趙を討伐しようと、
一万の兵を率いて太行山を越えていきます。

趙は二十万の兵力で、
太行山の東側の要路・井陘口で、
これを迎え討とうとしていました。

井陘口の西側は道が狭く両側が山です。

ここは韓信がやってくるなら必ず通る道なので、
趙軍の軍師・李左車は、正面から戦うのをやめましょう。

後ろに回って韓信軍の食糧を絶ち、
井陘の狹道で挟み撃ちにするのです、と進言します。

ところが趙王は、

『韓信の兵力はわずか数千、
しかも千里のかなたからやってきて疲労困憊のはず。

もし我らが、このような敵さえ避け、
正面から勝負しないのであれば笑いものにされるであろう』

と言ってこの策を受け入れませんでした。

韓信は趙側に放っておいた間諜からこの情報を得るや、
いそいで兵を井陘の狹道に進ませ、
井陘口から三十里離れた所に陣を敷きました。

夜半、韓信は二千の軽騎兵に漢軍の赤い幟(のぼり)を持たせ、
小道から趙軍の陣営の後ろに回って待ち伏せさせます。

韓信は彼らに、

「趙軍は我らが敗走したと見れば追撃してくるだろう。

その時お前たちは無人となった趙軍の陣営に入り込み、
趙の幟を抜き取って我が方の赤い幟を立てるのだ」

と指示します。

漢軍の兵士は井陘口に向けて出発し、
川を背に陣を作りました。

高いところからその様子を見ていた趙軍の兵士たちは、
韓信をあざ笑いました。

夜が明けると韓信は、
自ら大将旗を持ち陣鼓を鳴らして井陘口に向かいます。

趙軍も軽騎兵を率いて陣地からどっと出てきて、
韓信を生け捕りにしようとします。

その時、
韓信は旗や鼓を捨てて河辺の陣地に逃げ戻るふりをしました。

そこで趙軍は兵士全員が陣を出てこれを追い、
韓信の陣地に襲い掛かりました。

川を背にした韓信の兵は、
逃げ道がないので全員が必死に戦います。

双方はしばらく死闘を繰り広げましたが、
趙軍はどうしても韓信軍を打ち負かすことができません。

そこでいったん自陣に戻ろうとすると、
その陣地には漢の赤い旗が打ち立てられているではありませんか。

趙軍は大混乱に陥り、
韓信はここぞとばかりに反撃に打って出ます。

こうして趙軍は大敗を喫し、
趙王は生け捕りにされました。

戦いが勝利に終わった後、
将兵たちが韓信に、
「兵法では山を背にし、川に顔を向けて陣を組むべし」
と書かれているのに、
今回はその逆、
川を背にしたのになんと勝ってしまいました。

「これはいったいどう解釈したらいいのでしょう」
と聞くと、

韓信は、

「兵法に『これを死地に陥れて後に生き、
これを亡地に置いて後に存す』とあるではないか。

お前たちはここに気づいていなかっただけである。

わしはまだ将兵の心を掌握していない。

まるで市場の群衆を戦わせているようなものだ。

これを死地に置き必死で戦ってもらわない限り、
みな逃げてしまうだろう。

そこであの陣にしたのだ」

と言いました。

諸将はこれを聞いて、
「なるほど、おみごと。

それは我々の考えの及びもしないことでした」

とみな感服しきりだったということです。

この韓信の戦いが後に故事成語「背水の陣」になりました。

背水の陣を布くという正しい使い方と例文は?

「背水の陣」を使うのは、
「一歩も譲れない状態」
「切羽詰まった立場」である時です。

「後がなく、やるしかない」
「決死でものごとにチャレンジしなければ負けてしまう」
という状況、立場で使うようにしましょう。

■「背水の陣を敷く」の例文

「背水の陣」の例文を紹介したいと思います。

「背水の陣を敷く」は、
自らを苦境に立たせ、
やる気を奮い立たせる様子を指しています。

・自ら背水の陣を敷いて、失った奮起を取り戻そう。

・部下に目標を宣言させることで、あえて背水の陣を敷いた。

「背水の陣で挑む」は、
一歩も譲れない状況で、
必死に戦う様子を指しています。

・あと一件で今月の売上達成だ!背水の陣で挑むぞ。

・背水の陣で挑めば、必ず良い結果になると信じるべきだ。

この様に使います、
普段の生活ではあまり使う事はなさそうですね。

■「背水の陣」類語は「四面楚歌」「敗北必死」

「背水の陣」における、
「どうしようもない状況」を意義とする類語は、
「四面楚歌」「万事休す」「孤立無援」「八方ふさがり」
「五里霧中」「進退窮まる」などがあります。

また、
「不利な状況で戦う」の意義を持つ類語は、
「敗北必死」「絶体絶命の危機」「悪戦苦闘」などがあります。

・この状況は、まさに四面楚歌である。

・嵐で飛行機が欠航となり、もはや万事休すだ。

・上司からも同僚からも反対され、敗北必死な状況である。

・悪戦苦闘しながらも、仕事を最後までやり遂げた。

あとがき

「背水の陣」は、
「後戻りできない状況で、必死にものごとに挑む様子」
を表すことわざとなりますが、
言葉の由来からも受け取れるように、
「事前に綿密な作戦を練れば、
劣勢な立場であっても勝利することができる」
ということも学ぶことができるでしょう。

ビジネスシーンでは、
上の立場として部下を育てる時に、
一つの「戦略」として応用させてもよいと思います。


応援よろしくお願いします!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。