五里霧中の使い方や意味は何?語源の由来や類語と例文を紹介!

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「五里霧中」は四字熟語を代表する言葉です。

若い年代にとっては、
大人気アイドルグループ・嵐の楽曲タイトルとしても有名ですよね。

「五里霧中」にはどのような意味があるのでしょう。
まずは「五里霧中」の由来とあわせて、
その意味から紹介します。

五里霧中の使い方や意味は何?

「五里霧中」は「ごりむちゅう」と読みます。

「五里霧中」とは、
「五里先まで霧の中に包まれている」という意味で、
五里…およそ20キロメートル四方を、
霧に包まれているというのが、本来の言葉の意味です。

そこから、
「先の見通しが立たないこと」
「迷ってしまい判断がつかないこと」
という意味の四字熟語として使用されています。

「やるべきことが分からない」という意味でも、
使用することのできる表現です。

詳しく説明すると

(1)どうしたらいいか分からない。方向を見失った状態。

(2)物事の判断がつかない、
どうしたらいいのか分からず困っている。

(3)今後の方針や見通しが立たない、立っていない状態。

(4)漠然として事情がハッキリしない中で、手探りで進んでいる。

上記の意味から、
要するに困惑している状態となります。

今後の方針や見通しが立っていないので、
取り敢えず進むべきか、
それと留まるべきか、
誰にも正解が分からない状態です。

よって、行動をしてもしなくても、
方針などがハッキリするまでが「五里霧中」の状態になります。

五里霧中の語源の由来は何?

「五里霧中」は、
中国の歴史書である『後漢書』に由来するとされています。

その中にある、
五里にわたる霧によって自らの姿をくらます術、
「五里霧」を得意とする人物のエピソードが、
「五里霧中」の元となっているようです。

そこから、
五里四方の霧の中では周囲の様子が分からずに迷ってしまう、
という意味に発展したと考えられています。

「五里霧中」は「ごりむちゅう」と読みますが、
その音から、
「五里夢中」という誤表記の多い四字熟語でもあります。

先述したように、
「五里にもわたる霧の中」というのが、
「五里霧中」の語源ですので、
「夢中」という漢字は誤りです。

その由来・語源と漢字をリンクさせて覚えておくと、
誤字に悩まされないのでおすすめです。

五里霧中の類語と例文を紹介!

ここで「五里霧中」の類義語をみていきましょう。

★「五里霧中」の類語の四字熟語

・「曖昧模糊」(あいまいもこ)とは、

態度や物事がはっきりしない、
あやふやといった意味のある「曖昧」と、
はっきりしないこと表現しています。

また、
ぼんやりしているといった意味を持っている「模糊」の、
同じ意味を持つふたつの組み合わせにより、
【ぼんやりとはっきりしません】
が強調されている四字熟語になっています。

他には
・「有耶無耶」(うやむや)

あるのかないのかはっきりしない事、
曖昧な事、ぼんやりとした様子の意味があります。

有耶無耶の四字熟語の「有耶」とは、
「有」に疑問を示す助字の「耶」が組み合わさる事で、
『有るの?』と疑問を表す言葉です。

「無耶」とは、
「無」に疑問を示す助字の「耶」が組み合わり、
『無いの?』と疑問を表す言葉と合体した四字熟語が、
有耶無耶になっています。

・「雲煙糢糊」(うんえんもこ)

雲やかすみ、
もやが立ち込めてはっきりしない様子。

雲煙模糊(うんえんもこ)とは、
先が見にくい雲と霞(かすみ)の状態を表す「雲煙」と、
はっきりしないさまの意味を持つ「模糊」が合体した、
日常会話では使うことが少ない四字熟語です。

・「空空漠漠」(くうくうばくばく)

空空漠漠(くうくうばくばく)とは、
広々としたイメージを持っている「空」という字を、
ふたつ重ねたことで、
広々として果てしない様子を強調しています。

またぼんやりとしている、
とりとめのないといった意味を持つ「漠漠」が、
合体した四字熟語です。

続いて「五里霧中」の対義語をみて見ましょう。

「五里霧中」の対義語としては、
はっきりとよくわかるなどの意味を持っている、
一目瞭然(いちもくりょうぜん)があります。

「瞭然」には、
はっきりしていて疑いのないさま、
物事や考えが明白である、物事をうたがうことなく、
はっきりとしている状態の意味をもっているので、
【ひと目見ただけではっきりわかるさま】
を意味している四字熟語です。

★五里霧中の例文

・人間は誰も将来は不透明なので、
人生そのものが五里霧中と表現できなくもない。

・仕事に行かなくてすむ休日は大変有り難いが、
結局は疲れて何もやる気が起きないので、
五里霧中みたいなものだ。

・実家は震災と台風のダブル被害に遭ってしまった。
当分は五里霧中で、
実家を直すか引っ越すかなど将来の先行きがまったく見えない。

・あれだけ頑張ったのに、大学受験を失敗した。
当面は五里霧中で、暫くは何も考えられない。

この様に使われているようです。

あとがき

「五里霧中」は、
「霧の中にいるように先の見通しが立たない」
という意味の四字熟語です。

「判断がつかない」「何をすべきかわからない」
という意味でも使うことができる事が分かりました。

「曖昧模糊」など、
似た意味の四字熟語をいくつか紹介しましたが、
微妙にニュアンスが異なる表現もあります。

細かい意味の違いにも気を付けながら使ってみてください。