ナルコレプシーとはどんな症状で原因は何?診断を受けるには何科を受診するのか?

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あなたは学校や職場で眠くなって、
ついウトウトしてしまったりする事はありませんか?

その症状、
もしかしたらナルコレプシーかもしれません。

睡眠障害には、
寝ようと思ってもなかなか眠ることが出来ない不眠症や、
時と場所を選ばずに強い眠気に襲われる睡眠異常など様々な症状があります。

その中でも、
睡眠時間をちゃんと取ったはずなのに、
日中に激しい眠気に襲われる睡眠異常、

ナルコレプシーについて、少し調べてみませんか?

  

ナルコレプシーとはどんな症状が起きるのか?


 
ナルコレプシーの大きな特徴として、
4つの症状があります。

★1つめは、夜でもないのに日中に突然、
耐えることができないほどの眠気に襲われて、
眠り込んでしまう事が繰り返し続く点です。

しかし、
寝不足の時や午後2時ごろには誰でも眠くなるものです。

眠くなるからすぐにナルコレプシーを疑うというわけではありません。

ナルコレプシーの症状は、

・例えば会議のプレゼン中に寝てしまう
・自転車をこいでいる最中に寝てしまう
・試験中に寝てしまう
・野球の試合中守っている間に寝てしまう

といった、
普通なら緊張や興奮などで眠たくなるはずがない時でも、
激しい眠気を感じて眠ってしまうのです。

また、眠気すら感じないうちに突発的に眠ってしまう場合もあります。

これは1番大きな特徴です。

★2つめに、笑った時・楽しい時・うれしい時など感情が高ぶった時に、
突然全身の筋肉の力が抜けてしまう症状があります。

これを情動脱力発作(カタブレキシー)といいます。

・ひざの力が抜けてしまう
・話したくてもうまく舌がまわらない
・立っていられなくて倒れてしまう

などの例が挙げられます。

★3つめは、眠りにつく時に、
幻覚と勘違いするほど非常に鮮明な夢を見てしまうというものです。

これを入眠時幻覚といいます。

眠っているにもかかわらず脳がまだ覚醒状態にあるために、
非常に鮮明な夢を見ることになります。

★4つ目は睡眠麻痺です。

「金縛り」とも呼ばれるものです。

脳は起きている状態なのに体が眠っている状態なので、
脳から「体を動かす」という指令を送っても動かすことができないのです。

これがナルコレプシーという病気の4大症状です。

ナルコレプシーになる原因は?

ナルコレプシーになる原因は、
興奮の伝達、あるいは抑制に作用する脳内物質の一種であるオレキシンが、
少ない事による可能性が高いことが分かっています。

ナルコレプシーの患者さんは、
オレキシンという物質の脳脊髄液中の濃度がきわめて低いとされています。

風邪などをきっかけに急に症状が出る人もあります。

感染がきっかけとなって、
オレキシンを作る神経細胞が感染源と間違って攻撃され、
オレキシンを作れなくなるのではないかという仮説も提唱されています。

最近になって、
ナルコレプシーの患者さんには、
免疫を担っている細胞に一定の異常があることが発見され、
この仮説に関心が高まっています。

人の体には「覚醒」「ノンレム睡眠」「レム睡眠」の3つの状態があり、
オレキシンは人間の脳を、その内の「覚醒」にとどめる役目を持っています。

オレキシンが少なくなることで、
脳の中にある睡眠と覚醒の切り替えが、
不安定になるためではないかと考えられています。

これまでの研究で、
9割以上のナルコレプシーのある人の、
オレキシンを作る神経細胞に異常があるということが明らかになっています。

また、
ナルコレプシーになりやすい遺伝的体質と、
ストレスなどの環境因子が重なって起こるとも考えられています。

大部分はこれといったきっかけが分かりません。

頭部外傷、手術、大出血、睡眠不足の続いた時など、
大きな身体的ストレスが加わった直後に発症する場合があります。

先に遺伝的体質と書きましたが、
ナルコレプシー患者の家族では、
一般の家族に比べて10倍ぐらい発現率が高いという研究データがあります。

しかしこれまで世界中で報告されたデータでは、
ナルコレプシーの一卵性双生児16組のうち、
両方ともナルコレプシーを発症した一致例は5組に過ぎません。

このことはナルコレプシーの発症には、
遺伝子以外にストレスなどの要因も発症に関係すると考えられます。

ナルコレプシーはどこで診断してもらえるのか?

一時的な日中の眠気は誰にでもあるものです。

しかし、日中の眠気が1か月以上続き、ナルコレプシーかな?と思ったら、
睡眠障害全般を扱う、
睡眠外来・精神科・精神神経科・神経内科などで相談してみてください。

睡眠に関する病気は、
呼吸器内科・神経内科・耳鼻科・精神科などで診てもらえますが、
専門医はまだまだ少ないのが現状です。

病院によっては検査を他の医療機関に依頼したり、
診断後の治療は他の医療機関と連携するところなどがあるので、
自分の通える範囲など、自分が治療に向き合いやすい点に気を付けて、
事前に調べたり問い合わせたてから行くことをお勧めします。

診断する場合には、
睡眠ポリグラフ検査を行ないます。

目を覚まし、睡眠が分断されているのが分かる場合があります。



あとがき

ナルコレプシーの症状は、
子ども・青年・若年成人に多く、高齢者にはまれです。

発症年齢は、
15~25歳、30~35歳の2つがピークだと考えられています。

仕事中や学校の授業中でも発症することが多く、
寝てしまうことがあるので、
周囲からは「怠け者」と誤解されることが多いのです。

前述した4大症状の中でも、
概1つ目の症状と2つ目の症状で判断されます。

しかし日常生活に支障をきたすようであれば、
1か月を待たずに早めに受診しましょう。