広島の郷土料理の「煮ごめ」
子供の頃に食べたかも知れないな~というくらい
記憶にないですね。
母親が、関西の人なので、
広島の郷土料理の郷土料理には、あまり縁がないんです。
煮ごめではなくて、のっぺという煮しめがあるのですが、
それは、知りあいに教わったので知っています。
煮ごめって、どんな料理なのでしょうか?
まず「煮ごめ」とは?ですが…
煮ごめ(にごめ)は、
広島県の広島湾沿岸~芸北地域で作られる郷土料理のことで、
精進料理の一つです。
親鸞様の命日の前日である1月15日
御逮夜(おたんや)前後の3日間にわたって食べます。
これを食べて、体が温まったところで、
寺へお参りに行くのが安芸門徒の習わしでした。
(安芸地方を中心とする浄土真宗本願寺派の信徒)
このような宗教的理由から、
肉や魚介類などのいわゆる「生臭もの」は使いません。
煮ごめは、親鸞聖人の命日に食べるものなのですね。
広島の郷土料理 煮ごめに入っている具材は?
広島県の広島湾沿岸~芸北地域で作られる郷土料理の煮ごめ。
小豆と野菜で作る精進料理です。
寒い冬には、煮ごめを食べて体を温めましょう。
煮ごめは、具材の説明といっしょに、
作り方を紹介しますので、参考にして下さい。
★煮ごめのレシピ、材料4人前
・『赤飯用あずき 水煮』 150g
A みりん、酒、しょうゆ各小さじ1
・大根100g
・人参75g
・こんにゃく50g
・厚揚げ50g
・水400ml
・『赤飯用あずき 水煮』缶汁100ml
・昆布10cm角
・干ししいたけ2枚
B 砂糖大さじ1
B みりん、酒各大さじ2
C しょうゆ大さじ1と1/2
C 塩小さじ1/4
材料は、以上です。
次は、作り方です。
今回は、『赤飯用あずき 水煮』を使います。
1・ボウルに水、昆布、干ししいたけを入れて置いておきます。
汁気を切った小豆をボウルに入れてAを加えて混ぜ合わせておきます。
2・大根、人参、こんにゃくは1cm角に切っておきます。
(茹でる必要がある場合は沸騰したお湯に入れて茹でておきます)、
厚揚げも1cm角に切っておきます。
3・②の昆布としいたけも戻ったら、1cm角に切っておきます。
4・鍋に②の昆布としいたけを、浸しておいた水と小豆のゆで汁を入れます。
5・③の大根、人参、こんにゃく、しいたけ、昆布を入れて中火にかけ、
Bを加えて柔らかくなるまで20分程度煮込みます。
6・②の小豆と厚揚げとCを加えて、
さらに10分程度煮込んで完成です。
材料は、各家庭によって、違いがあるでしょう。
煮ごめの、材料の特徴は、
小豆を入れるというところなんですね。
近頃は、甘く煮た小豆しか食べていないので、
お醤油味の小豆を食べてみたくなりました。
広島の郷土料理 煮ごめ汁の由来は何?
煮ごめとは小豆の入った野菜の煮物なのです。
この事は、最初にお知らせしましたね。
小豆、大根、人参、蓮根、里芋、ごぼう、厚揚げ、干椎茸、コンニャクを薄味で煮て
作るという、事もお伝えしました。
ここで、薄味と書いているのは、
先ほどは、醤油で煮るというレシピを紹介しましたが、
実は、味噌で味付けをする所もあるんです。
皆さん、それぞれの家庭の味があるんですね。
そこで、煮ごめの由来ですが…
浄土真宗では、
1月15日の親鸞さまのご命日に、この煮ごめをいただきます。
親鸞さまのご危篤の知らせを受けた各地のご門徒が、
それぞれに滋養のあるものを持ち寄ったことがはじまりとの事です。
特に、親鸞さまは小豆が大好物だったので、
小豆を使った精進料理を考えたのですね。
ここで、
広島県の湾岸地域から芸北にかけて食べられていると言われていますが、
広島県の湾岸は、お分かりだと思うので、
芸北地方について、お話をさせて頂きます。
芸北とは、広島県北広島町辺りの地域で、
住所は、山県郡芸北町、安芸太田町あたりになります。
広島県の、北西部に位置しており、
島根県との県境でもあります。
芸北の特徴は、
温暖な広島県の気候とは思えないほどの積雪量でも有名で、
スキー場が多数あります。
その、反面、盆地故に夏は気温が高い事でも知られています。
雪深い芸北地方の方々は、
暖かい煮ごめを食べておられるのですね。
そして、安芸門徒ですが…
西本願寺を本山とする浄土真宗の信者は全国に多く、
安芸門徒、北陸門徒、尾張門徒
紀州門徒、石州門徒などと呼称されています。
「安芸門徒」は、現在の広島県の西部地方、
「安芸の国」の浄土真宗門徒のことで全国的に有名です。
毛利元就が勢力を伸ばしたのは、
背景に安芸門徒の力があったからだとされています。
織田信長は、
現在の大阪城の場所にあった浄土真宗の「石山本願寺」を攻めました。
しかし、11年かけても攻め落とせませんでした。
それは安芸門徒が兵糧などの後方支援をしたからです。
安芸門徒は、織田信長の攻勢に立ち向かい、
江戸時代には、
浄土真宗の正当な教えを守る行動を起こし、
明治維新時には、
廃仏毀釈や西欧化策によるキリスト教の浸透に立ち上がるなど、
危機感を感じた節目に結束して行動を起こしています。
テレビ等で観たことがある人も多いとおもいますが、
安芸門徒は、お盆の時期に、
色とりどりの盆灯篭を、お墓に飾ることでも有名です。
広島の郷土料理 煮ごめはいつ食べる精進料理?
煮ごめをたべる時期ですが、先ほどもお話ししましたように、
親鸞の命日である1月15日前後の3日間に渡り食べる精進料理の一つです。
これを食べて、体が温まったところで寺へお参りに行くのが、
安芸地方を中心とする浄土真宗本願寺派の信徒の習わしです。
このような宗教的理由から、
肉や魚介類などは使わず、
煮〆として、焼いた餅などを入れて食べる地方もあります。
あとがき
煮ごめは、
他の地域ではいとこ煮とか煮入れとも呼ばれています。
いとこ煮は、山口県では、他の食べものを示す言葉になるので、
山口県では、使いません。
地域によっては、給食にも登場する煮ごめ料理、
奥が深いんだなと思いました。
さっそく作って食べてみたいと思います。