卵かけご飯は卵の鮮度に気を付けて!新鮮な卵の見分け方と生卵の保存方法は?

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ごはんにかけてまぜるだけ。

それを地で行く食べ物といえば『卵かけご飯』。

たとえおかずが無くったって、
朝の忙しい時間帯だってこれさえあれば問題なし。

最近はSNSなどで、
オリジナリティあふれる卵かけご飯がアップされるようになりました。

『ご飯』『卵』『調味料』といったシンプルに限られた構成の中、
おいしさと手軽さを両立させようとするその工夫は驚くものばかり。

今回は、
手軽においしく食べられる卵かけごはんの注意点について、
ご紹介したいと思います。

  

卵かけご飯は卵の鮮度に気を付けて!

卵かけごはんのメイン食材といえば、
なんといっても『なまたまご』

ただ、
この卵を生で食べる上で注意しておきたいのがその鮮度です。

鮮度が悪いと、サルモネラ菌の繁殖を招き、
それによる食中毒にもつながりかねません。

サルモネラ菌は、乾燥に強く、
感染するとひどい下痢や嘔吐といった、
典型的な食中毒の症状を引き起こします。

潜伏期間は8~48時間。

ただ、
このサルモネラ菌は、
75度以上で1分以上の加熱をすることで死滅します。

つまり鮮度の落ちた卵は生で食べるには向いていないということですね。

一方、
海外では、生で卵を食べる機会はごく限られたものだそうです。

卵は常に火を通してから食べるものとして定着しているわけです。

となると、卵の扱いもおのずと違ってきて、
賞味期限もそれように設定されていますので、
海外で卵かけごはんを楽しみたいと思われる方は注意してください。

日本国内では、賞味期限の設定は海外のものと異なり、
生で卵を食べる前提での設定
(産卵後1週間以内にパックしパックしてから2週間後)となっています。

卵かけご飯の新鮮な卵の見分け方!

まずは卵を割らずにその鮮度を見分ける方法をご紹介しましょう。

それは、
水または塩水に入れた卵が、
沈んだままかそれとも浮いてくるかで見極める方法です。

鮮度の良いものは横向きに沈み、
逆に古いものは鮮度の段階により、
卵のお尻のほうから少し浮きはじめ、その後は完全に縦向きに。

それ以上古くなると完全に浮いてきます。

卵の殻には小さな気孔と呼ばれる穴が無数にあるのですが、
時間の経過とともにこの穴から、
卵殻内の水分や二酸化炭素が抜けていきます。

それらが抜けた代わりに空気が入ってきて、
気室と呼ばれるたまり場ができるのです。

この空気のたまりの状態が、
卵の鮮度を見極めるうえでのひとつの指標というわけですね。

そしてもう一つは、卵を割ってから見分ける方法です。

卵黄、濃厚卵白、水様卵白の区別が明確で、
特に濃厚卵白がこんもりしているものがよいとされます。

鮮度がわるくなると濃厚卵白と水様卵白が一体となって、
その区別がつきづらい状態となります。

また、色味の面で、白身の色は白濁したものがよいとされています。

これは新鮮な卵には炭酸ガスによる細かい泡があるからで、
それが集まっていることで白く濁って見えるというわけです。

卵かけご飯の生卵の保存方法は?

卵を保存するための適正温度は、
10℃以下とされています。

一般家庭では、冷蔵庫に入れておけば問題ない温度ですね。

ただし注意が必要なのが、その置き場所と保存方法。

最近の冷蔵は別になっている物が多いですが、
冷蔵庫の扉の内側に備え付けの卵ケースがありませんか?

ついここに入れてしまいたくなりますが、
保存の観点からはお勧できません。

扉の開閉によって、ここに卵が置かれた場合、
保存の温度が安定しづらいからです。

できれば扉裏にではなく、
庫内にしまうようにしましょう。

また保存する際は、
パックのままで保存しましょう。

これは殻についているサルモネラ菌がついている場合があるためで、
パックのまま保存することで他の食品への拡散を防ぐためです。

では、賞味期限が過ぎた卵は食べてはいけないのでしょうか?

先に書いた通り、
日本国内の賞味期限の設定は、
生で食べることを前提につけられたものです。

生での調理には問題がありますが、
火を通す調理においては多少賞味期限を越えていても、
条件が揃えば使うことも可能です。

卵を割ってみて変色や異臭がしないことはもちろんですが、
加熱する上でも、
サルモネラ菌の殺菌の目安である75℃以上1分以上の加熱を心がけてください。

また、卵の状態という面では、
新鮮でないほうがむしろ作業しやすいものがあります。

それは卵白の泡立て。

これはほどよく日にちがたったものほど卵白の腰がぬけてることで、
泡立てやすくなるのです。

用途によってうまく使い分けたいところですね。

あとがき

いかがだったでしょうか?

SNSの発展で、
自分だけの食べ方がみんなの食べ方に、
いっきに広まるということも珍しくありません。

身近にある卵ではありますが、
おいしく安全に食べるためには、
少しの注意が必要だということも合わせて広まってもらえたらと思います。

ちなみに、卵かけごはんはいつ頃から食べられているんだろうと気になりますが、
1838年(天保9年)ということですから、
江戸時代後期、九州は佐賀、鍋島藩の『御次日記』に、
客人に出された献立に『御丼 生玉子』とあるそうです。

『御丼 生玉子』って、卵かけご飯のことですよね。

ですが、日本で初めて卵かけご飯を食べた人と言われているのは、
岸田吟香(きしだぎんこう)という日本初の従軍記者だったということです。

岸田吟香という人は、美作国久米北条郡垪和村(今の岡山県)出身で、
「精錡水」(せいきすい)という目薬を販売し、
薬業界の大立者としても知られる人です。

また、
美術の教科書で見かける『麗子像』を描いた、
洋画家の岸田 劉生(きしだりゅうせい)は、岸田吟香の四男だそうです。