我が家では、風呂ふき大根は、ゆず味噌で食べます。
最近は、ふろふき大根用のお味噌も売っていますよね。
昆布だしでじっくりコトコト炊き上げ、
竹串がすーっと通れば出来上がり、
味付けは、味噌だれで決まる風呂吹き大根は、
寒い冬には、からだがあったまるので、嬉しい御馳走です。
そのごちそうの名前が『風呂吹き』というのは、
どういう由来で付けられた名前なのでしょうか。
風呂吹き大根とおでんや、
味噌田楽との違いについて、
また、味噌以外のたれについてもまとめてみました。
風呂ふき大根の名前の由来はどこからきている?
風呂ふき大根とは?ですが、
風呂吹き大根は大根を蒸すか茹でて、
味噌に漬けて食べる料理です。
現在でも良く食べられている一品です。
江戸時代の料理本でも、
大根は汁、膾などの他風呂吹きの名前が必ずあがって入るほどです。
この「風呂吹き」の名前の由来については諸説あります。
ひとつは、漆器の塗師職人が冬季の漆の乾きにくさに困っていた所、
漆器を乾かすための「風呂」に、
大根の茹で汁を吹きかけると良いと教えてもらい、
実際に効果があったそうです。
その際の茹でた大根を近所に配った所、大変に喜ばれ、
風呂吹きに使われた大根、から風呂吹き大根になった、と言う説。
伊勢の辺りでは、
蒸し風呂で垢を掻くために息を吹きかけることを風呂吹きと言い、
熱々のゆでた大根をふうふう吹きながら食べる様が似ていることから、
風呂吹き大根と呼ぶようになったと言う説などがあります。
江戸時代の料理書『素人庖丁』には、
添える味噌に「山椒味噌、胡椒味噌、唐辛子味噌、生姜味噌、赤味噌、
山葵味噌、諸味味噌、砂糖味噌、柚子味噌、フキ味噌、青のり味噌、
ごまみそ、木の芽味噌」と十種類以上の味噌の名前を挙げています。
淡白な味わいの大根にはどんな味噌にも合う、ということでしょうか。
冬の京都では…
冬の京都では、ふろふき大根がごちそうの一つですが、
栄養価が高く、安価で、おいしい食べ物として、
「不老富貴だいこ」と書かれることがあります(「ん」は付きません)。
なかでも有名なのは、
年末に行われる千本釈迦堂の「大根焚き(だいこだき)」ですが、
中風除けの祈願とともに、境内は大賑わいになります。
ここの大根は、京都の聖護院大根で、
私たちが普通に食べている細長いものではなく、
丸大根と言って、カブに似た大きな丸い大根です。
千枚漬けにするものとよく似ていますが、
千枚漬けは、聖護院大根ではなく、聖護院かぶらです。
年が明けて、立春を迎えた京都では、
初午の日に大原の三千院で「大根焚き」が行われます。
毎年、初午の大根焚きでは、
雪の残る三千院で、ふろふき大根をいただくことができます。
ところで、この「ふろふき」という変わった名前、
真実はどこから来ているのでしょうか?
有名になると必ずいろいろな説が出てくるのでてきますよね。
昔のお風呂は、今のように湯に浸かるものではなく、
蒸し風呂だったのですが、
そこでは、入浴する人の垢すりが行われていました。
この垢すりは、蒸気の籠もる中、
湿った身体に息を吹きかけながら、
垢をこすり落とすのですが、
この垢すりをする人は「風呂吹き」と呼ばれていました。
熱い大根に息を吹きかけながら食べる人の格好が、
その姿に似ているところから、
「ふろふき大根」という名が付いたという説が有力です。。
ふろふき大根は、地域によって違いがありますね。
語源の由来は、諸説あるようですが、
垢すりの説を唱える方が多い様です。
風呂ふき大根と味噌田楽との違いは?
ふろふき大根とおでんって、どちらも煮物だし、
大根を使った料理だから、違いがよく分からないですよね。
おでんの大根に味噌をかければ、
ふろふき大根になってしまうんでしょうか?
・ふろふき大根とおでんの違いって?
ふろふき大根とは、出汁で煮た大根に練り味噌という、
味噌ベースのタレをかけて食べる料理です。
そしておでんは、大根の他に茹で卵や練り物、
しらたき、こんにゃくなどを出汁で煮込んで料理です。
ふろふき大根は基本的に大根単品であり、
練り味噌をかけているのがおでんとの違いです。
でも、おでんの大根も出汁で煮込んであるので、
大根だけを小分けにして、練り味噌をかけてしまえば、
ふろふき大根になってしまうんですね。
ただし、おでんの出汁は結構味が濃い場合もあるので、
その大根に練り味噌をかけたら、
少ししょっぱくなってしまうかも知れませんね。
おでんの大根に練り味噌をかけて、
ふろふき大根にして食べるのはおすすめしませんね。
おでんの出汁がかなり薄味なのでしたら、
ふろふき大根にしても良いと思います。
・ふろふき大根と味噌おでんと味噌田楽は?
最もふろふき大根と似ているのが、味噌田楽ですね。
味噌田楽も同じように、味噌ベースのタレをかけて食べます。
味噌田楽はこんにゃくやナス、豆腐などの食材を串刺しにして、
味噌タレを塗って焼き上げた料理なんです。
つまり味噌田楽の食材は大根に限らないし、
味噌のタレを塗ってから焼き上げるというのが、
ふろふき大根との大きな違いです。
また味噌ベースのタレも、
ふろふき大根と田楽では若干異なります。
ふろふき大根の練り味噌には、
味噌、卵黄、砂糖、酒、みりんが使われ、
仕上げにユズの皮が添えられます。
一方、
味噌田楽は、味噌に砂糖やみりんを加えて甘くし、
ユズや木の芽で香り付けをして作られたタレなんです。
ふろふき大根の練り味噌には、卵黄も入っていたんですね。
もちろん作る人の好みやレシピによって、
タレの味は異なりますが、
こうしてみると、ふろふき大根と味噌田楽って、
かなり違いのある食べ物だったのです。
ちなみに、
味噌田楽は江戸時代になると、
こんにゃくなどの食材を出汁で煮て温めてから、
田楽の味噌ダレを絡める、煮込み田楽が誕生すします。
この煮込み田楽の出汁に、醤油やみりんなどを入れるようになり、
おでんが誕生したとされています。
味噌田楽って、
おでんのご先祖様みたいなものだったのですね。
ふろふき大根のたれで味噌以外のオススメは?
おススメでもあるのですが、
簡単に作れるのでそのレシピを紹介します。
★醤油ネギだれのふろふき大根
材料 (4人分)
大根1本
昆布5センチ位
・ネギだれ
ネギ3本
醤油大さじ2
めんつゆ大さじ1
酒大さじ1
みりん大さじ1
砂糖小さじ1
・作り方
① 大根は輪切りにして、米の磨ぎ汁で茹でお湯を捨てる。
面取りしていませんがしたい方はしてくださいね。
② 鍋に大根とひたひたの水、昆布を入れ崩れる寸前まで柔らかく煮る。
③ ネギは刻んで耐熱皿に入れる。
調味料も全て入れ、レンジで4分~加熱する。
④ 食べる時にネギだれをかける。
醤油ネギだれのふろふき大根 作り方のコツとポイント
大根は柔らかくなるまで煮る。
ネギはくたくたになるまで加熱する。
直径1センチ位のネギ3本を葉まで使っています。
量は調整してくださいね、
砂糖は好みでもっと多く入れても美味しいです。
あとがき
風呂吹き大根は、
薄味の出汁で大根を煮て練り味噌をかけたもの。
おでんは大根や練り物などの具材を出汁で煮込んだもので、
出汁が味噌ベースだと味噌おでんになります。
そして味噌田楽はこんにゃくやナスなどに、
甘めの味噌ダレをつけて焼いたもので、
後々、煮込み田楽が誕生し、
そしておでんが作られるようになるのですね。
でもどの料理も、冬にとっても恋しくなりますね。
寒い日は大根を煮た料理で温まりましょう。