『科捜研の女』や『相棒』は、
もはやロングセラーといえるドラマです。
科学捜査の技術や警察組織の内情を描いたものなどは、
相変わらず根強い人気があります。
科捜研と科警研は実在する組織ですが、
ドラマを見ていて、
現実では行わないことが、
演出上描かれているとわかっていても、おもしろいです。
そんな科捜研や科警研、
また鑑識の人たちが、どういったことをするのか、
その仕事内容に興味津々です。
科捜研と科警研の違いは何?
科捜研とは、正しくは『科学捜査研究所』のことで、
警視庁及び道府県警察本部の刑事部附属の機関。
研究員は地方自治体に属する地方公務員となります。
一方科警研とは、『科学警察研究所』のこと。
警察庁の附属機関で、
当該施設は、千葉県柏市の一か所のみ。
こちらは国の機関であり国家公務員ということになります。
というわけで、どちらも実在する組織ではありますが、
それぞれ所管が異なっているというわけですね。
科捜研と科警研との関係性はというと、
科捜研は、より現場に近く、
科警研では研究や実験といったところにウエイトがおかれ、
科捜研の職員は一定の研修期間を、
この科警研で過ごすことがルールとなっています。
科捜研と科警研 鑑識との違いは何?
鑑識もよくTVドラマででてくるキーワードですよね。
こちらは、科捜研同様、公務員ではありますが、
その身分は警察官。
一方、科捜研や科警研の職員は専門職として採用された警察職員となり、
警察官ではありません。
鑑識は、事件や事故が起これば現場に赴き、
状況写真の撮影からはじまり、
証拠につながるありとあらゆる痕跡を採取します。
出動に際しては、全ての事件に関わることはなく、
軽微な空き巣事件等の時は、
現着した他の警察官が変わって指紋採取などをすることがあるそうです。
これは、一般の警察官においても、
証拠採取の訓練を行っているためで、
より専門性の高い事案や、重大事件の場合などに優先的に、
鑑識官が活動しているというわけですね。
現場で集められた資料は、
そのままの状態では事件や事故の証拠として活用できないため、
これがどういったものなのかを『鑑定』する作業が必要となります。
鑑識によって様々な鑑定が行われる中で、
より高度な科学技術による鑑定を行うのが科捜研です。
そして科捜研においても、鑑定が困難と判断されたものについては、
国内唯一の科警研において全国からその依頼を受け付けています。
科捜研と科警研 鑑識の具体的な仕事内容の違いは?
科捜研は、都道府県警察本部にあり、
主に5つの分野(法医学、心理学、文書、工学、化学)に分かれ、
幅広い範囲で、鑑識から依頼された採集物について鑑定業務を行っています。
ドラマ上科捜研の職員は、現場に単独で赴いたり犯罪捜査をしたりと、
その活躍が描かれていますが、実際はあまりないのだとか。
緊急の事案に対して待機する必要があったり、
あくまで他の要請を受けて現場に赴くことはあるようです。
地味といえばそうですが、
役割分担がきちんとされているといえますね。
なにより科捜研職員は、捜査権をもっていないんだとか。
刑事と一緒になって、
犯人逮捕を云々といったシーンは現実には…
科警研は、全国各地の科捜研からの依頼を受けて鑑定を行ったり、
鑑識技術の研究や実験・開発を行っているところ。
人材に育成に関する指導や研修の場でもあります。
現場の捜査員や鑑識の方たちが、
より正確に、より効率的に鑑定ができる簡易鑑定キットなどの開発も行っており、様々な面でそのサポートが広がっています。
技術が追い付いていない時代。
誤った鑑定結果による誤認逮捕の話は、
収監された長い年月を思うといたたまれなくなります。
そのような意味でも、科学捜査の研究・開発は、
現代の犯罪捜査において可欠な重要なものといえますね。
あとがき
「科捜研ってほんとにあるんかなぁ…」
珍しく早く仕事から帰ってきたことで、
普段なら見ない時間帯のドラマを見ながら
夕食をとることになった我が旦那。
昭和の警察ものといえば、
『太陽にほえろ!』や『あぶない刑事』。
現実ではありえない、何かと拳銃打ちまくりの演出。
平成に入って『踊る大捜査線』がヒットすると、
昭和の演出はなりを潜めて、
警察組織内の『本店⇔支店』なんて劇中の言い回しも話題になりました。
彼の中では警察もののドラマの事柄は昭和で止まり、
すべてがフィクションの世界として整理されている模様。
「科警研って、さっきの科捜研とどうちがうん?」
一度引っかかると、
あれもこれも気になってくるタイプ。
矢継ぎ早に質問が飛ぶ。
旦那よ、
昭和はとうに過ぎ去って、なんだったら平成も終わって今は令和なんです。
だれもが少し調べたら色々知ることができる時代だからこそ、
フィクションドラマとはいえ現実と祖語が多いと、
共感が得られにくいと思うんだよなぁ。
というか、
毎週楽しみにしているんだから、いい加減ドラマに集中させなさい!