富士山のてっぺんは何県になるの?頂上の所有者は誰でどんな建物が建っているのか?

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日本の象徴かつ世界遺産である富士山の山開きは7月1日です。

富士登山はもはや日本人のみならず、
海外旅行客にも人気ですね。

その、富士山の頂上は何県なのでしょうか?
所有者は誰で、
どんな建物が建っているのか?

これらについて、調べてみました。

富士山のてっぺんは何県になるのか?

富士山山頂は、
「富士山本宮浅間大社」の私有地なのです。

富士山の山頂は国有地ではなく、
私有地です。

富士山の8合目以上は、
「富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)」が所有する、
境内(神社の敷地)なのです。

古来噴火を繰り返す富士山は「神が宿る山」として畏れられ、
遙拝の対象として敬われました。

激しく吹き上げる火焔は怒る神の姿であり、
荒れた富士山を鎮めるために山麓に浅間大神を祀ったのが、
富士山本宮浅間大社のはじまりと言われています。

大噴火により、湖の魚が死滅、
人々の住まいも潰され、大きな被害が出ていました。

畏怖の念を抱いて、
遠くから「山の神様、どうか怒りをお鎮めください」と祈っていたのが、
富士山信仰の起源なのです。

縄文時代の遺跡の中には、
富士山が見える方向に祀っていた祭壇が発見されています。

・富士山の頂上は、山梨県でも静岡県でもない

富士山の7合目から下の部分については県境がありますが、
山頂については地図上でも県境は消えています。

富士山本宮浅間大社の敷地(境内)であり、
山梨県でも静岡県でもありません。

富士山頂上には浅間大社の奥宮が鎮座しています。

ただし、
山頂の山小屋の郵便番号は、静岡県側の〒418-0011とされています。

富士山の頂上は、
静岡県でも山梨県でもないんですね。

富士山の事は、皆さんよくご存じだと思いますが、
少し紹介したいと思います。

★富士山頂上の「お鉢めぐり」はもともと「お八めぐり」だった

なぜ「お鉢めぐり」なのかというと、
頂上にのぼって見ればよくわかります。

ぽっかりと空いた噴火口は、
まるで巨大な鉢のようにも見えるからです。

しかし、この「お鉢めぐり」というのは、
実は「お八めぐり」が転じたものだという話もあります。

富士山の頂上にある8つの峰と火口は、鉢や釜にたとえられることが多く、
古くは「八葉蓮華」という仏陀が坐る八枚の弁をもつ蓮華にたとえられ、
「八葉」と呼ばれて、
8つの峰にも仏教にちなんだ名があたえられました。

★富士山の正確な標高は3775.63m(剣ヶ峰)

ちなみに8つの峰、
最高峰は、富士山測候所のある剣ヶ峰で、
これが富士山頂と言われる場所です。

2002年8月に国土交通省国土地理院によって、
三角点(三角測量の際の基準にとった地点のこと)わきに設置されたプレートによると、
剣ヶ峰の正確な標高は3775.63mとされています。

世界測地系による位置は、
北緯35度21分38.261秒、東経138度43分38.515秒となっています。

芸術面でも評価の高い富士山ですが、
その高さも有名ながら、
このような事実があることはまさにトリビアですよね。

★富士登山は関所でお金を払う必要があった

富士山には、登るために吉田ルートや須走ルートなど、
様々な登山ルートが存在しますが、
最近、環境保全のために「入山料」を徴収するべきという議論があがっています。

実は明治時代まで富士山登山は「有料」だったのです。

富士山の頂上の所有者は誰?

・富士山は徳川家康のものだった?

「日本の宝」ともういうべき富士山は、
年間30万人以上の登山客が訪れる観光スポットです。


実は、富士山の八合九勺(3360m)から上は、
富士山本宮浅間大社の「私有地」です。

歴史のある霊山を私物化するなんて、
いったいどんな人が?と思うかもしれませんが、
頂上に鎮座している「浅間神社」が持ち主なのです。

浅間神社の総本宮は「富士山本宮浅間大社」

浅間神社は、全国に1300以上あり、
中でも富士宮市宮町に位置する富士山本宮浅間大社は総本宮です。

祭神に、木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)、
彦火瓊々杵命(ひこほのににぎのみこと)、
大山祇命(おおやまづみのみこと)の三柱を祀ります。

本社神殿は、武田信玄公の厚い信仰を受けて、
桃山時代の高荘な建造物として国の重要文化財に指定されています。

また毎年7月1日は、
450年以上続いている「お導開き(おみちびらき)」をして、
富士山の山開きも行っています。

このように、浅間神社と富士山の結びつきはとても古いのです。

そもそもの持ち主はあの徳川家康で、
1606年に家康から大社に寄進されたと伝えられています。

ところが、
明治維新後の1871年に国有地化されていました。

太平洋戦争後、
全国で国有地化された土地が寺社へと返還されましたが、
富士山頂だけは、一部を除いて返還されなかったのです。

1974年の最高裁判所の判決によって、
あらためて浅間神社のものと認められましたが、
それでもなかなか返還がされなかったのです。

静岡、山梨両県の県境が画定されていないため、
登記できなかったからです。

それからさらに30年の時が流れ、
2004年、財務省東海財務局が県境問題よりも優先することで調整し、
ようやく無償譲与しました。

こうして134年ぶりに、
富士山の山頂部はもとの持ち主に戻ったというわけです。

富士山の頂上にあるものは何?

やはり、富士山山頂の見どころと言えば、
日本一の高さからのご来光や、
お天気がよければ槍ヶ岳まで見晴らすことができる眺望だと思います。

また、その雄大で迫力のある火口や、
日本最高峰の剣が峰、神社をめぐるお鉢巡りも見どころのひとつです。

【富士山の火口】

富士山の巨大な旧噴火口は深さ237.42m、直径780mにも及び、
河口の底は大内院と呼ばれています。

また、幽宮とも呼ばれ、
富士浅間大社によって禁足地(足を踏み入れてはいけない聖域)とされているそうです。

【銀明水】

山頂なのに地下水が湧き出ており、
富士山の霊水が湧き出ているとされています。

鳥居が立っていて、柵で囲まれていて、
御殿場口からの頂上はここになります。

【剣ヶ峰】

日本最高峰になるのが剣ヶ峰の山頂です。

砂礫の急斜面、「馬の背」を登り切った場所が、
日本最高地点、剣が峰の山頂となります。

【金明水】

久須志神社の西北の方向にある白山岳にあり、
剣が峰からですと、一旦火口棚に降りて登り返すことになりますが、
河口側から登ると「金明水」の碑を見ることができます。

【浅間大社奥宮】

浅間大神(木花之佐久夜毘売命)を主祭神とする奥宮は、
富士宮口を登り詰めた山頂に鎮座しています。

7~8月の開山期には、
国家安泰、氏子・崇敬者・登拝者の安全の祈念、家内安全等の諸祈願、
結婚式の奉仕、お札・お守りの授与、
金剛杖・行衣等の御朱印の授与等を行っています。

【久須志神社】

久須志神社は、
須走口、吉田口、河口湖口の登山道の頂上に鎮座しています。

奥宮の末社で、大名牟遅命、少彦名命をお祀りし、
別名、東北奥宮とも称されるそうです。

神社の中では、お守りやお札の販売、
御朱印を金剛杖に押してもらうこともできます。

あとがき

富士山の頂上というのは、
正しくは神様の家ということになります。

そう思うと、
富士山登山もまたひと味違った趣になりますね。