2020年の啓蟄は3月5日
2021年の啓蟄の日は3月5日です。
期間としての2020年の啓蟄は3月5日~3月19日までとなります。
啓蟄になると、気温は寒いですが、
自然界では春らしくなってきます。
啓蟄とは、虫達が目覚める季節だとか
今回は啓蟄の意味や、
啓蟄にまつわる季節の行事などを見ていきましょう。
啓蟄とはいつからいつまででどんな意味がある?
啓蟄(けいちつ)って何?
聞き慣れない言葉なんだけど…そう思う人も多いでしょう。
啓蟄は二十四節気の3番目です。
3月6日頃を指しますが、
その年によって二十四節気の日付は変わってきます。
啓蟄の前にあるのは「雨水(うすい)」です。
雨水は雪よりも雨が多くなり、
川や池の氷が溶けだすという意味になります。
雨水のころは、
虫たちには、まだ寒くて冬眠したままなのですね。
啓蟄のころになると、
今度は、虫たちが春の気配を感じて土の中から次々と顔を出し始め
活発に動き始める。
ということになるのです^^
春の足音が聞こえてくるような表現ですね。
一雨ごとに温かくなってくる、
このように感じる時期ではありますが、
まだ極端に寒い日もあり体調は不安定になりがちです、
春の雷も多くなる時期なのだそうです。
啓蟄は、雨水の次にあるのですが、
具体的には雨水から数えて15日目にあたります。
例えば2019年は2月19日が雨水でした。
雨水から数えて15日目は3月6日。
2019年の啓蟄は3月6日ということです。
啓蟄の次にくるのが「春分」です。
春分はなじみがある言葉ですね、
啓蟄は春分の前日までを指します。
まとめてみましょう。
啓蟄は雨水の日から数えて15日目からはじまり、
春分の前日までの期間になります。
啓蟄とは何をする日?
啓蟄けいちつとは二十四節気(にじゅうしせっき)の1つで、
「土の中の虫がはい出すころ」という意味が込められています。
啓蟄は毎年3月5日~6日頃で、年によって変わり、
太陽の位置を表す黄経では345度に来ています。
日本語では「啓蟄」と言いますが、
中国語では「啓蟄」ではなく「驚蟄」と言います。
「蟄」とは、
虫などが土の中の潜り込んで飲まず食わずの状態であること。
春雷しゅんらいなどが鳴って、
そういう虫たちが驚いて土の中から出てくるので、
中国では「驚おどろく」という漢字を使い、「驚蟄」と言います。
二十四節気とは古代中国で作られた暦で、
日本では平安時代から使われています。
1年を24等分し、それぞれに名前を付けたものです。
二十四節気は太陽の運行に基づいており、
1年で最も昼の長い日を夏至げし、
1年で最も昼の短い日を冬至とうじ、
昼と夜の長さが同じ日を春分しゅんぶん・秋分しゅうぶんとし、
この4つを春・夏・秋・冬の中心として決めた暦です。
この4つの節気は合わせて「二至二分にしにぶん」と呼ばれています。
この二至二分が二十四節気を決めるうえでの基準となっています。
立春りっしゅんはこの冬至と春分のちょうど中間の日で、
暦の上ではこの日から春が始まります。
春の節気は、立春りっしゅんにはじまり、
雨水うすい、啓蟄けいちつ、春分しゅんぶん、清明せいめい、穀雨こくう、
となっており、啓蟄は春の3番目の節気です。
また、
立春りっしゅん・立夏りっか・立秋りっしゅう・立冬りっとうの4つを、
「四立しりゅう」と言い、
それぞれ春夏秋冬の始まりの日として重要な節気となっており、
二至二分と四立を合わせて「八節はっせつ」と言います。
なぜ「驚蟄」が「啓蟄」に?
中国語の「驚蟄」がなぜ日本には「啓蟄」と伝わったのでしょうか。
中国でももともと「啓蟄」と言っていたのですが、
この「啓」という字が漢王朝の皇帝の名前だったために、
漢代にはこの文字を使う事がはばかられ、
意味の似ている「驚蟄」になったのです。
その後また「啓蟄」に戻り、それが日本に伝わるのですが、
中国ではまた「啓蟄」を「驚蟄」に戻し現在に至っています。
二十四節気の中でこれだけが日本と中国では漢字が異なります。
二十四節気のそれぞれの節気には、その日1日を意味する場合と、
次の節気までの期間を意味する場合があります。
2020年の啓蟄であれば、以下のようになります。
・日付としての2020年の啓蟄は3月5日。
・期間としての2020年の啓蟄は3月5日~3月19日まで。
二十四節気と実際の季節感がずれる理由
二十四節気は「実際の季節感とずれている」と感じることがあります。
特に立春(2月上旬) 立夏(5月上旬) 立秋(8月上旬) 立冬(11月上旬)の、
4つの節気はそれぞれ春夏秋冬の始まりを意味しますが、
「春というにはまだ早い」などと感じます。
ここではその「実際の気候とずれる理由」について解説します。
【春夏秋冬の決め方】
夏至は昼の時間の最も長い日、冬至は昼の時間の最も短い日です。
けれども夏至に最も暑くなり、
冬至に最も寒くなるかというとそうではなく、
実際にはそれより1~2か月ほど遅れて、
最も暑い日、最も寒い日がやってきます。
ただし、
二十四節気はこの「夏至を夏の中心」「冬至を冬の中心」
そして、
「昼と夜の長さが同じ春分・秋分を春の中心と秋の中心」として、
1年を4等分し、春夏秋冬を決めました。
そのため、
「立春と言われてもまだまだ寒く、冬と感じる」ということが起こります。
【日本と中国との気候の違い】
また、
二十四節気が作られたのは紀元前の中国黄河流域のため、
現在の東京の気候とはややずれがあります。
洛陽らくようが東周時代の首都で、
中原ちゅうげんとはこの周辺一帯を指す言葉です。
二十四節気はこの中原で作られたと考えられています。
節気には日付と期間の2つの意味がある
また、二十四節気の1つ1つには期間としての意味もあるものの、
カレンダーやニュースなどではもっぱら日付としての意味で使われています。
このことも二十四節気と日本の実際の季節感がずれる要因となっています。
啓蟄の「旬の食べ物」ですが…
・八朔(はっさく)
八朔には1~2月ごろに収穫され、
1か月ほど寝かせて酸味を取って出荷されるものと、
熟すまで待って3月ごろに出荷されるものがあります。
いずれも3月が旬の時期となります。
・苺
苺は主に栃木県で生産され、
3月に旬を迎えます。
啓蟄の季節の花ですが、
白木蓮(ハクモクレン)、沈丁花(ジンチョウゲ)、菜の花です。
啓蟄と冬ごもりやこもはずしとの関係は?
虫がはい出る季節(二十四節気の啓蟄)があるなら、
虫が冬ごもりするのはなんて言うんでしょう、
そしてそれはいつ頃?
啓蟄の反対に虫が冬ごもりに入るのは、
「蟄虫杯戸(むしかくれてとをふさぐ)」候。
(*「候」は二十四節気をさらに細かく分けた季節の区分のこと。)
秋分の日の後で9月28日から10月2日ころにあたります。
実際に寒い地域では、
虫が冬支度に入るんですよ。
啓蟄の「虫」とは?
今では、虫といえば昆虫ですが、
すべての生き物をさして「虫」と言っていた時代がありました。
この啓蟄という季節が中国で決められたのは紀元前のことです。
「虫」は「蟲(むし)」の略字です。
そして「蟲」という言葉は、
その頃生き物全体をさしていました、
うごめく感じですね。
初めは「冬ごもりの虫」には、チョウやミツバチはもちろん、
カエルやへび、熊など生き物すべてが含まれていたんですね。
みんな冬には見かけなくなります。
・薦外し(こもはずし)
ニュースで毎年目にする「菰外し」。
啓蟄には、各地のお城や庭園で、
冬の間松の木に巻いていた菰(こも:わらでできたむしろ)を外して燃やします。
冬が終わったなと感じますね。
この菰。
木々を寒さから守るために巻かれて、
暖かくなったから外すんだと思っていました。
でも、違うんですね。
この風習「菰外し」は、
江戸時代から、松の害虫となるマツカレハの幼虫(まつけむし)を、
駆除するためのものです。
マツカレハの幼虫は、
寒い冬には、寒さを逃れるために、
松の木に巻いたむしろ(菰:こも)に入り込むと考えられていました。
そこで春先になったら、
集まった幼虫を菰ごと燃やして一網打尽にするのが菰外しの目的でした。
ところが、21世紀に入って、
こもの中にはマツカレハの幼虫よりも、
マツカレハの天敵(ヤニサシガメ)の方が、
たくさん集まっていることがわかりました。
敵をやっつけるつもりで、仲間を退治していたんですね。
もう、皇居などでは菰巻き・菰外しは行っていません。
今、有名なお城や庭園で行われる「菰外し」は、
害虫退治というより、季節の行事として続けられています。
・虫出しの雷
「虫出しの雷」は、立春のあと初めて鳴る雷のこと。春の季語です。
ちょうど啓蟄の頃に鳴ることも多いため、
冬眠中の虫が驚いて出て来る雷として、
「虫出しの雷」と呼ばれるようになりました。
この虫出しの雷(春雷)のあと数日は、
暖かい天気になることが多いです。
あとがき
啓蟄は、3月5日だけではないので、
二十四節気での「啓蟄の候」は、
3月20日の春分の日の前まで15日間続きます。
手紙やメールでの挨拶文に使っても大丈夫です。
でもこの時期は「早春の候」を使う方がおすすめです。
やはり啓蟄は虫を連想してしまうので。。。。。
「早春」なら、
春を楽しみにする気持ちを相手の方と共有できますね。