二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」
とても難しい漢字で表されていますが、
春の訪れを感じさせる言葉の一つですね。
啓蟄とは、
土の中で冬ごもりをしていた生き物たちが
暖かくなって目覚める頃のことです。
啓蟄の意味や、時期、使い方について解説していきます。
啓蟄の日2021年はいつ?
2021年の啓蟄の日は3月5日です。
期間は3月5日~3月19日となっています。
啓蟄は、
「けいちつ」と読みます。
二十四節気(にじゅうしせっき)の一つです。
啓蟄は毎年3月6日頃~3月20日頃にあたりますが、
日付が固定されているわけではありません。
二十四節気は、
1年を太陽の動きに合わせて24等分して決められるので、
1日程度前後することがあるからです。
二十四節気では、
啓蟄の前は、
雪から雨へと変わり雪氷がとけ始める頃という意味の「雨水」、
啓蟄の次は、昼夜の長さがほぼ同じになる「春分」となります。
二十四節気をさらに3つに分けた七十二侯は、
啓蟄の間にこのように移り変わります。
■初侯:蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)3月5日頃
啓蟄を詳しく表したもので、
冬ごもりをしていた虫たちが戸を開いて顔を出したような表現です。
虫に限らず、様々な生き物が目覚める頃です。
■次侯:桃始笑(ももはじめてさく)3月10日頃
桃の蕾がほころび、花が咲き始める頃。
昔は花が咲くことを「笑う」「笑む」と表現していました。
■末侯:菜虫化蝶(なむしちょうとなる)3月15日頃
青虫が羽化して紋白蝶になる頃。
菜虫とは菜を食べる虫ということで、
紋白蝶の幼虫である青虫をさしています。
紋白蝶のほかにも、
いろいろな種類の蝶が舞い始める季節です。
■啓蟄の風物詩
啓蟄の期間に、
「お水取り」と呼ばれて親しまれている
東大寺二月堂の修二会が行われます(3月1日~14日)。
奈良時代から続く行事で、
終わる頃には冬が明けるので、春を告げる行事として有名です。
大きな松明から落ちる火の粉をあびると、
無病息災で過ごせるといわれています。
冬の間、
寒気や雪、害虫などから樹木を守っていた「菰(こも)巻き」を、
外すのも啓蟄の頃が多く、
春の風物詩となっています。
啓蟄と言う漢字の意味は?
「啓蟄」という漢字をばらばらにして意味を見てみましょう。
「啓」は「ひらく」とも読みます。
その読みの通り
「開く、開放する」という意味を持っています。
です。
「かくれる」の他に、
「ひそむ、とじこもる」という意味があります。
ふたつの漢字を合わせた意味は、
隠れたり、閉じこもったりしていたものが
開放されるという意味です。
その、隠れている物は、冬眠している虫です。
啓蟄の意味は、
「春の陽気を感じ、
地中で冬ごもりしていた虫が動き出し、はい出してくる季節」
という意味です。
■啓蟄の頃の食べ物
啓蟄の頃に、旬を迎える食べ物を紹介します。
・あさり
あさりは身体の余分な熱を冷まし、
むくみを解消してくれます。
また、血を補い精神を安定させる作用もあり、
イライラを抑えるのにも効果的です。
啓蟄の頃に、食べたい
「あさり」の春ならではのレシピを紹介します。
★春野菜とあさりの蒸し煮
春野菜と、旬のあさりを使って春を感じてみましょう。
材料(4人分)
あさり 300g
たけのこ(水煮) 250g
菜の花
1束(200g) アスパラ5本
にんにく 2かけ
オリーブオイル 大さじ2
A昆布茶または昆布だしの素 小さじ2
Aみりん 大さじ1
A酒 大さじ2
作り方
下準備
たけのこ(水煮)→縦に1〜2cmに切る。
アスパラ→根元を切り、5cmに切る。
あさり→砂抜きする。
にんにく→スライスする。
菜の花→根元1cmくらいを切り落とす。
①フライパンにオリーブオイルを熱し、
にんにくを入れ、たけのこを両面焼く。
②アスパラ、あさり、菜の花と
A昆布茶または昆布だしの素 小さじ2、みりん 大さじ1、
酒 大さじ2を入れたら蓋をしてあさりが開いたら出来上がりです。
※あさりに火を通し過ぎない様にしましょう。
続いて、啓蟄の頃に旬を迎える食べ物を紹介します。
・鰆(さわら)
鰆(さわら)は漢字にも「春」が使われているように、
古くから「春告げ魚」と呼ばれていました。
出世魚で体長70cmを超えるものがさわらです。
・ぜんまい
薇(ぜんまい)は春の山菜の代表格。
韓国料理のナムルにも利用されています。
・たらの芽
たらの芽は代表的な春の山菜のひとつ。
風味を存分に味わえる天ぷらがおススメです。
ただし、トゲがあるので調理する際には注意が必要です。
啓蟄と言う意味の使い方は?
啓蟄は普段あまり使うことはない言葉ではありますが、
手紙の冒頭などで季節に触れる際に使用することができます。
手紙で啓蟄を使う場合には、
春も間近で暖かくなってきたことを付け加えるのが重要です。
例文
・冬の寒さも和らぎ、すっかり春の暖かさがやってきました。
同時に虫たちも、
暖かさを求めて地中から出てくる啓蟄の時期となりましたね。
という風に書きます。
手紙を書く機会も少なくなっている現代ですが、
時には、手紙で季節を伝えてみては如何でしょうか。
■啓蟄の頃のイベント
啓蟄の頃には、どんなイベントがあるのでしょうか。
・ホワイトデー
3月14日はホワイトデー。
一般的にはバレンタインデーのお返しに
男性から女性へお菓子やアクセサリーなどをプレゼントする日です。
・彼岸
彼岸は、イベントではなく行事になりますが、
彼岸(ひがん)とは雑節のひとつで、
春と秋の年に二回あります。
春分の日と秋分の日を中日とした前後3日、合計7日間の事です。
あとがき
啓蟄には、
あんず、芝桜、菫など春の草木も咲き始めます。
春を、感じるこの頃ならではの、
季節や食べ物を楽しんでみてはいかがでしょうか。