オーラルフレイルとはどんな症状?予防方法と改善プログラムは?

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オーラルフレイルとは、噛んだり、飲み込んだり、
話したりするための口腔機能が衰えることを指し、
早期の重要な老化のサインとされています。

今回は、オーラルフレイルの症状、
予防方法と改善プログラムを見ていきましょう。

  

オーラルフレイルとはどんな症状が見られるのか?

オーラルフレイルの症状は、
健康な体から要介護の状態になる前の「フレイル期」に現れます。

介護を必要としない毎日を長く過ごすためにも、
オーラルフレイルの症状にできるだけ早く気づき、
予防や改善をしましょう。

歯と口の働きのことを「口腔機能」と言います。

歯と口の働きは、大きく分けると

1.食べる(噛む・磨り潰す・飲み込む・味わう)
2.話す(発音する・会話する・歌う)
3.感情表現(笑う・怒る)
4.呼吸する

などがあります。

加齢とともにこれらの口腔機能が衰えると、
栄養状態から筋力の低下を招くこともあり、
外出が減るなどの結果、介護が必要になる場合もあります。

健康的な毎日を過ごすためにも、
オーラルフレイルを予防することが大切です。

オーラルフレイルの症状には、

・固いものが噛めない
・食べこぼすことが多くなる
・よくむせる
・活舌が悪い
・口の中が乾燥する

などの症状がみられることがあります。

これらの症状がないか、
現在の口の中の状態をセルフチェックしてみましょう。

オーラルフレイルの予防方法とは?

先ほどもお伝えしましたが、
オーラルフレイルは、
「噛む」「飲み込む」「話す」などの口腔機能が、
加齢などにより衰えることが原因となります。

食べこぼしや軽いむせ、固いものが噛みにくい、
滑舌の悪化、口の中が乾くなどの症状が現れます。

噛む力が衰えて固いものが食べにくくなると、
やわらかいものばかり食べるようになり、
噛むために必要な筋力がさらに低下し、
さらに噛む力が衰えるといった悪循環に陥りやすくなります。

結果的に口腔機能の衰えは、
食欲の低下、
さらには全身の機能低下(サルコペニアや低栄養など)へと進み、
要介護状態へとつながる可能性があります。

※サルコペニア

サルコペニアとは、
筋肉量が減少して筋力低下や、
身体機能低下をきたした状態を指します。

具体的には、歩くのが遅くなる、
手の握力が弱くなるなどといった症状が現れるようになります。

超高齢社会に突入している日本において、
サルコペニアは問題となっており、
転倒や骨折、寝たきりなどにより、
生活の質を著しく低下させる懸念があります。

サルコペニアを予防するためには、
栄養のバランスの取れた食事と適度な運動を心がけて、
日常生活を送ることが大切であると考えられています。

■オーラルフレイルの診断

オーラルフレイルを予防するには、
歯と口の健康を保つことが大切です。

具体的には「口の中を清潔に保つこと」

そして
「加齢で衰える口腔機能の維持・改善に努めること」
がポイントとなります。

また、
定期的な歯科検診で自分の歯や口の状態を知ることも、
オーラルフレイルの予防につながります。

■オーラルフレイルのチェック項目

合計点数が3点以上の方は、かかりつけの歯科医院にご相談ください。

オーラルフレイルの改善プログラムは?

・自宅でできるオーラルフレイル改善プログラム

オーラルフレイルの改善には、
様々な専門的な対応がありますが、
自宅で簡単にできるプログラムをご紹介します。

■口周辺の筋肉を強くする体操

噛む力や飲み込む力を維持するために、
日頃から口周辺の筋肉を鍛える体操を行いましょう。

継続すれば、
滑舌の改善や表情が豊かになるなどの効果も期待できます。

・口の開閉と舌のストレッチ

①「ア」の発音のようにゆっくり大きく口を開けます。

②しっかり口を閉じて、口の両端に力を入れながら、
 舌を上あごに押し付けるようにして奥歯を噛みしめます。

・舌のストレッチ

①口を大きく開けて、舌をできるだけ出します。

②上唇を舌先で触ります。

③左右の口角(こうかく)を舌先で触ります。

・口輪筋の運動

①頬をふくらませて、舌を上あごに押し付けて、
 口から息が漏れないようにこらえます。

②息を吸うように口をすぼめます。

※口輪筋は口の周りを取り囲んでいる筋肉で、
口を開けたり閉じたりする時にはたらきます。

■唾液腺の分泌をよくするマッサージ

唾液は食べ物を飲み込んだり、
口腔の粘膜を保護するために必要です。

また唾液が少ないと虫歯や歯周病の進行や、
口臭も発生します。

唾液が少なくなったと感じたら、
唾液腺を刺激して唾液の分泌を促しましょう。

唾液腺をやさしく刺激することで、
唾液がたくさん出るようになり、
食べ物が口の中でまとまり、飲み込みやすくなります。

・耳下腺  耳の前、上の奥歯のあたり
・顎下腺  あごの骨の内側の柔らかい部分
・舌下腺  あごの先の内側、舌の付け根

これらを、マッサージしていきます。

あとがき

オーラルフレイルを予防するためのお口の体操を紹介しました。

意識して大きく口を動かすことが予防につながります。

オーラルフレイルは病気ではありませんが、
予防するには定期的に口の中をチェックすることが大切です。

かかりつけの歯科医院で、定期的に検診を受けましょう。