山椒は、5月から6月にかけて青い実がなります。
しかし、
時期を逃すと真ん中の種が硬くなってしまいます。
とても旬の短い食べ物です。
しかし、実山椒は長く保存することができ、
さまざまな料理で楽しむことができます。
山椒昆布やちりめん山椒や佃煮など、
ほんの少しあるだけで、食卓やお料理を引き立ててくれます。
日本を代表する香辛料の、
ピリッとした爽やかな辛味を長く楽しんではいかがでしょうか。
実山椒の下処理の仕方
まず、実山椒を購入するときは、
実が黒くなっていない、緑色が鮮やかなものを選びましょう。
買ったら、なるべく早めに下処理をしましょう。
下処理はとても簡単です。
実山椒の小枝を取り除くだけです。
すべてきれいに取り除かなくても、軸が少し残っても問題ありません。
また、手でもはさみでも、
作業しやすい方法で行ってください。
実山椒のあく抜きの仕方
実山椒はそのままだと辛味が強すぎるので、
あく抜きをします。
お店に出回りだした頃は、あくもそれほど強くはありませんが、
日が経つにつれてあくが強くなります。
あく抜きの時間は、その時期によって異なります。
<方法>
用意するもの
・実山椒・沸騰したお湯(たっぷり)
・塩ひとつまみ
・ざる
・鍋
①実山椒をきれいに洗います。(下処理したもの)
②鍋に湯を沸かします。
③沸騰した鍋に、小さじ1/2の塩と洗った山椒を入れて、
弱火~中火で6~7分程度茹でます。
山椒の実が、指で押せるくらいになったらOKです。
④ザルに上げて、水気を切ります。
⑤茹で上がったら、1~4時間ほどたっぷりの水につけます。
水は時々入れ替えて、好みの辛さになるまで水にさらします。
水にさらす時間は人それぞれなので、
途中で食べてみて好みの味になったらザルに上げます。
(*ぬか床用の場合は、10分くらい水にさらすだけで大丈夫です。)
⑥最後に、残っている軸を実からはずします。
⑦一回分ずつ小分けにして、密封袋に入れます。
⑧冷凍庫に入れて完成です。
水にさらし終えた実山椒は、水気をしっかり拭き取って、
使う分ずつ小分けにしてラップに包み、密封袋などに入れます。
冷凍保存で一年間はもちます。
使いたいときに、使いたい分だけ使えて、とても重宝します。
山椒の実の軸を簡単に取る方法
山椒の実は、枝つきで売られていることが多いです。
下処理で、この枝を取り除くのにすごく時間がかかってしまい、
大変だったという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
実はこの枝は、
茹でた後に取ると取れやすいです。
茹でるとやわらかくなるので、生の時よりも簡単に摂る事ができます。
実の先に軸が少しくらい残っていても、食べられますので、
気にしなくても大丈夫です。
茹でてからしばらく水にさらすと、
エグミが少なくなるので、
先にあく抜きをしてから軸を外すと取りやすくなります。
山椒の実には、「サンショオール」という成分が含まれています。
サンショオールは、山椒に含まれる辛味成分です。
山椒の実をかじると、ただ辛いだけでなく、
舌がピリピリ痺れるのは、
サンショオールとサンショアミドいう物質があるからです。
また、サンショオールには、代謝を促進し、
汗を促す作用もあるため、冷え性に効果があります。
サンショオールは、大脳への刺激を与え、
内臓を動かす働きもあります。
そのため、胃腸の機能を向上させ、
消化不良や食欲減退などにも効果が期待できます。
これ以外にも、山椒には、
食物繊維やカルシウム、鉄分など多くのミネラル類や、
ビタミンB群、ビタミンEなどのビタミン類も豊富に含まれています。
あとがき
「山椒は小粒でもぴりりと辛い」
という諺があります。
これは、
からだは小さくても、気性や才能が鋭くすぐれていて、侮ることができない
という意味です。
ただの香辛料だけではもったいない実山椒の味わいを、
短い旬の時期にたくさん購入し、保存して長く楽しみましょう。