おまんじゅうやお団子、羊羹やもなかなど、
普段のおやつとして食べる和菓子から、
お茶席に出される練り菓子や干菓子。
和菓子にはいろいろな種類がありますが、
『和菓子の日』は、どのような由来で制定された記念日なのでしょうか?
なにげなく口にしている和菓子ですが、
日本特有のお菓子として、長い歴史があります。
そんな和菓子の日と和菓子について、
まとめてみました。
美味しいお茶と一緒に和菓子を頂くときに、
ちょっと思い出してみてください。
和菓子の日とはいつのこと?
・和菓子の日とはいつ?
みなさん、和菓子の日というのはご存知でしょうか??
聞いたことがある方も、
実際何月何日と答えられる方は少ないのではないでしょうか。
和菓子の日とは、
全国和菓子協会が1979年に制定した記念日で、毎年6月16日です。
なぜこの日が『和菓子の日』で、
どんな由来があるのでしょうか?
また、どんなイベントが行われているのかについて調べてみました。
・和菓子とは
まずここでは、
和菓子とはどのようなものを指すか確認していきます。
和菓子とは、日本の伝統的なお菓子のことをいいます。
明治時代以降に入ってきた洋菓子に対する言葉です。
このあと江戸時代のお菓子の話がでてきますが、
そのころには「和菓子」という呼び方はなかったんですね。
でも、その時代のものは今から見ると、
和菓子ということなのです。
練り切りをイメージする方も多いと思いますが、
練りきりはもちろん、餅菓子、お饅頭、もなか、らくがん、
せんべいなども和菓子です。
そういわれればそうだった!という感じでしょうか。
和菓子の日の歴史や由来とは?
・平安時代にさかのぼる
全国和菓子協会が制定したのは先に紹介した通りですが、
これには、もっとさかのぼって由来があります。
平安時代の中ごろに、国内に疫病が蔓延しました。
当時は、疫病が流行ったり、地震や洪水などの災厄があったときに、
元号を変えることがありました。
仁明天皇は、元号を嘉祥(かしょう)と改めます。
元号を改めた元年(848年)の6月16日に、
16個の餅や菓子を神前に供えて、
疫病除け、健康招福を祈ったとされています。
これをきっかけに、6月16日に厄除け・招福を祈って、
お菓子を食べる「嘉祥菓子(かじょうがし)」という風習が、
形を変えながら近代まで存続しました。
江戸幕府では、6月16日を「嘉祥の日」として、
一定身分以上の人に和菓子を配る風習もあったそうです。
また、庶民の間でも、「嘉祥喰(かじょうぐい)」といって、
16文(もん)のお金で16種類のお菓子やお餅を買って食べる、
という風習がありました。
・全国和菓子協会が制定
全国和菓子協会はこうした故事にちなんで、
日本の食文化を正しく後世に伝え残すために、この記念日を制定しました。
洋菓子の台頭があってからは、和菓子は洋菓子の陰に隠れがちです。
そんな和菓子を、
より広めてみんなに食べてもらおう!と計画したのでしょうね。
こういった歴史がわかっていると、
6月16日に思い出して、
和菓子を食べて、厄除けや招福を祈りたくなりますね。
和菓子の日にはどんなイベントが全国で開催されるのか?
・全国和菓子協会が開催する手作り和菓子
まずは記念日を制定した、
全国和菓子協会のイベントからです。
全国和菓子協会は6月16日の前日である6月16日に、
毎年和菓子作り教室を開いています。
毎年応募が多数で、抽選になってしまうほどの人気です。
教えてもらえる和菓子は、練り切りというお菓子です。
見た目もかわいらしい、
季節の果物や花をかたどった生菓子ですね。
和菓子にまつわるお話を聞くこともできるということで、
とても人気があるそうです。
・明治神宮の菓子配布
初詣などで人気の歴史ある神社、明治神宮では、
菓子の日に近い休日に、和菓子の無料配布を行っています。
和菓子職人さんが目の前で、練りきりをつくってくれるんだとか。
それを無料でもらえるなんて、お得でうれしいイベントですね。
・大阪の笑わず餅
大阪では、「笑わず餅」という、
笑わないようにお餅を食べるという風習があります。
これは江戸時代の嘉祥の日から行われていたという歴史があるようです。
なんとも大阪らしい行事といった感じがします。
皆さんも試してみやすいですね。
あとがき
和菓子の日について解説してきましたが、
いかがでしたか?
歴史を知ると、昔の人も、全国和菓子協会も、特別な思いをもって
この6月16日という日に和菓子を食べていたことが分かりましたね。
皆さんも、和菓子離れしていないでしょうか。
これを機に、
6月16日は毎年和菓子を食べてみるのもいいかもしれませんね。